事例 | 年齢:2 歳 1 か月 性別:男 体重:11kg 身長:82cm | |
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傷害の種類 | 中毒 | |
原因対象物 | エタノールを含有する洗口液 | |
臨床診断名 | 急性アルコール中毒 | |
直接医療費 | 20,290 円(救急外来受診+一般外来受診2 回) | |
発生状況 | 発生場所 | 自宅洗面所: 洗口液は普段は洗面所三面鏡内の棚に保管していたが,事故当日は洗面台上においてあった とのこと.洗面台は踏み台を使えば手が届く高さであった. |
周囲の人・状況 | 両親,姉が在宅.事故発生時,両親は居間にいた. | |
発生年月日・時刻 | 2017 年2 月26 日 午後10 時頃 | |
発生時の詳しい 様子と経緯 |
午後10 時頃,患児が当該製品をもって両親の所に来たため,確認したところ内容液が減っ ていた(100mL 程度).その後徐々に顔面紅潮,構音障害,ふらつきが出現した.父が催吐 し,救急相談に電話連絡し,医療機関を救急受診した. 本児は2~3 か月前から洗口液を好み,歯磨きなどの際に日常的に使用していた.製品ラベ ルの注意事項には「幼児の使用には適しません」と記載があったが,母は記載に気づいてい なかった. | |
治療経過と予後 | 救急外来受診時(27 日午前0 時頃),患児は軽度興奮しており,構音障害とふらつきを認め たが,活発に走り回っていた.身体所見上は顔面紅潮を認めたが,その他には明らかな異常 所見は認めず,呼吸状態は安定しており,体温も正常であった. (バイタルサイン:体温36.7℃,脈拍数137bpm,SpO2 98%(室内気)) 受診時点で誤飲から2 時間経過しており,症状も軽快傾向であったため,自宅経過観察の方 針とした. メーカーに問い合わせたところ,使用していた洗口液のアルコール濃度は20% で,エタノー ル摂取量は最大で20mL(15.8g)と推測された. 帰宅後も新たな症状は出現しなかった.翌日小児科外来再診時(27 日午前9 時)は元気で あったが,軽度のふらつき,構音障害が残っていたため,翌日再診の方針とした. 27 日午後にはふらつき,構音障害は軽快し,28 日午前10 時再診時は無症状であったため, 終診・有事再診とした. | |
Full Text | No.073 エタノールを含有する洗口液の誤飲による中毒 |
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