Injury Alert(傷害速報)

 

Injury Alert(傷害速報)

傷害の種類
原因対象物
臨床診断名
検索TOPへ戻る

No.032 首浮き輪による溺水(事例2)

事例 年齢:0歳 4 か月 性別:男 体重:約7kg 身長:63.9cm
傷害の種類 溺水
原因対象物 首浮き輪
臨床診断名 低酸素性虚血性脳症の疑い
直接医療費 129,930 円
発生状況 発生場所 自宅の浴槽
周囲の人・状況 患児と母が浴室に入り、膨らましていた首浮き輪を母が患児の首にいつも通りに装着した。 浴槽に患児を浮かした。患児の顎が首浮き輪の穴から下に下がり口で浮き輪をくわえた状 態になり、「フガフガ」と言っていたため、顎を浮き輪の穴の上にのせた(このようなこと は今までにも何回かあった)。その後、患児は浮き輪から外れずに楽しそうにしていた。母 はシャワーで髪の毛を洗おうとしていた。
発生年月日・時刻 2012 年3 月28 日 午後9 時50 分頃
発生時の詳しい
様子と経緯
母が1 ~ 2 分ほど髪の毛を濡らして、浴槽を見たら、患児がうつ伏せになって浴槽に浮いていた。浴槽には嘔吐物、便、首浮き輪が浮いていた。すぐに浴槽から患児を抱き上げた。全身が白色で、口唇は紫色であった。筋緊張は保たれていた。頬や身体を叩いたり、喉に指を入れたりし、約1 分程度でケホッと咳をし、泣き出した。救急車にて病院へ搬送された。
治療経過と予後 当院に到着時、意識は清明で、バイタル・サインは安定していた。胸部X 線写真では、肺野は透過性良好であった。経過観察を目的に入院となった。翌日、哺乳は良好で、明らかな神経学的後遺症は認められなかったため、退院となった。今後は、外来にて神経学的な後遺症がないかどうかフォローを行う予定である。 【首浮き輪の検証】 使用されていた首浮き輪を検証した。外見上は明らかな傷や穴は認めなかった。空気を入れ膨らました。内圧がしっかりとかかり、浮き輪として膨らんだ。この時点で明らかな空気漏れには気づかなかった。浸水テストを行った。使用方法通り、絵柄が水面上部に来るように水に浸した時、極僅かに空気が漏れてきた(写真2)。絵柄を水面下部にし、裏返しにして水に浸したら、裏面の左前部の所から僅かに空気が漏れていた(写真3)。空気が漏れていた部分を写真4 に示した。首浮き輪を水から出し、穴の箇所を肉眼的に確認しようとしたが、穴はわからなかった。人形のベビーに首浮き輪を装着し、浸水テストを行った。 児の首が首浮き輪のリング内に入っているため。空気漏れはさらに不明瞭となった。
Full Text No.032 首浮き輪による溺水(事例2)
類似報告 No.32 類似事例1・2
No.32 類似事例3・4
No.32 類似事例5・6

Acrobat Reader ダウンロード PDFをご覧になる際は、Adobe® Reader™をご利用ください。

ページの先頭へ戻る