事例 | 年齢:0歳 2か月 性別:男 | |
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傷害の種類 | アセトンの受動吸入による中毒 | |
原因対象物 | マニキュア除光液 | |
臨床診断名 | 嘔気・嘔吐、意識障害(傾眠) | |
直接医療費 | ||
発生状況 | 発生場所 | 自宅の8畳間、床 |
周囲の人・状況 | 母が除光液を使用する際、そばに児を寝かせた(母から約1m) | |
発生年月日・時刻 | 午前10時頃 | |
発生時の詳しい 様子と経緯 |
ティッシュペーパーに除光液を数回振り出し拭き取ることを繰り返し、手足計20本の爪からマニキュアを除去するのに約15分を要した.使用した除光液は100mlほど残っており、使用中は開栓したままであった.使用後、除光液臭が充満しているのに気づいたが、換気はしなかった.その後、児は怒責様の発声が数回あり、ぐったりとした様子で12時間以上寝ていた.授乳を試みるも吸てつ力は極端に弱く、嘔吐をくりかえし反応がにぶかった. | |
治療経過と予後 | 発生約20時間後、嘔吐・意識障害の精査目的で紹介入院となり、発生状況からアセトン中毒を疑った.傾眠傾向で腹部膨満をみとめたが、一般血液、生化学、静脈血液ガス分析、尿検査に異常はなかった.意識障害は改善傾向と判断し、経口的には何も与えず、補液のみで経過観察した.発生約30時間後の嘔吐を最後に嘔吐は消失し、その後は哺乳も良好となり、4日目に元気に退院した.入院時の血清アセトン濃度は8μg/ml(基準値<5)であった. | |
Full Text | No.008 マニキュア除光液の吸入による中毒 | |
Follow-up報告 | Follow-up報告 No.2 |
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