事例 | 年齢:1 歳 4 か月 性別:男 体重:10kg 身長:不明 | |
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傷害の種類 | 窒息 | |
原因対象物 | ミニカップゼリーの透明なプラスチック容器:高さ2.5cm,最大直径(つまみのある長い方)4.8cm | |
臨床診断名 | 誤嚥による窒息疑い | |
直接医療費 | 外来受診費4,930 円 | |
発生状況 | 発生場所 | 自宅のリビングルーム |
周囲の人・状況 | 兄(一緒にゼリーを食べていた),母(台所で家事をしていた) | |
発生年月日・時刻 | 2014 年12 月25 日 午前9 時7 分 | |
発生時の詳しい 様子と経緯 |
兄と一緒におやつのミニカップゼリーを食べていた.いつも兄は自分一人で,患児は母がスプーンでカップからゼリーをすくって食べさせていたが,今回は患児が兄と同様に自分 でカップを持って食べたがったため,カップごと患児に手渡し,兄弟2 人だけでリビングルームで食べさせていた.母はキッチンで家事をしていた.子どもが咳をしているのに気付きリビングに様子を見に行くと,患児が顔色不良で横になっているのを発見した.すぐに誤嚥を疑い,患児を逆さまにして背中を叩いた.数秒後に朝食の残渣とゼリーと,ミニカップゼリーの透明容器(図1)が排出された.その後2 分ほどぼーっとしていたが,次第に意識レベルは回復した.大きな問題はなさそうであったが念のため救急外来を受診した. | |
治療経過と予後 | 救急センター受診時には意識レベルは清明で,バイタルサインや身体所見に異常を認めず, そのまま自宅にて経過観察となった.翌週に外来にて経過をフォローしたが異常は認めず終診となった. 本ケースでは母が理学療法士で普段から誤嚥した高齢者に対応する機会が多かったため, すぐに誤嚥を疑い初期対応を行うことができた.発生直後に誤嚥に対する初期対応を行わなかった場合,長時間の窒息が続き重篤化していた可能性があったと考えられる. | |
Full Text | No.056 ミニカップゼリーのプラスチック容器の誤嚥による窒息 |
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