事例 | 年齢:6歳 4か月 性別:男 体重:19kg 身長:120cm | |
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傷害の種類 | 頭部打撲 | |
原因対象物 | 小児用オフロード専用バイク | |
臨床診断名 | 1.頭蓋骨多発骨折(左前額部―眼窩外側、右前額部―眼窩上壁、蝶形骨)2.右眼瞼周囲皮下血腫 3.急性硬膜外血腫 4.気脳症 | |
直接医療費 | 971,970円 | |
発生状況 | 発生場所 | 自宅の庭 |
周囲の人・状況 | 父が50ccの小児用オフロード専用バイクを本児のために購入し、自宅の庭で、初めて乗車する機会であった.ヘルメットは装着していなかった. | |
発生年月日・時刻 | 2012年10月23日 午後6時00分頃 | |
発生時の詳しい 様子と経緯 |
患児がバイクに乗ってエンジンをかけた際、父は目を離していた.その間にバイクが発進し、バイクの前輪とブロック塀が衝突した.その反動で頭から前方に飛び出し、前頭部をブロック塀に強打した.右眼瞼部腫脹と眼窩部を取り巻くような皮下出血を来たし、引き続き、嘔気、嘔吐を認めた.頭蓋内出血と眼窩底骨折を疑われ、当院に搬送となった. | |
治療経過と予後 | 受診時、意識障害はないものの、左前額部―眼窩外側、右前額部―眼窩上壁、蝶形骨の多発骨折を認め、頭蓋内出血の増大が予測され、厳重な経過観察が必要であったため入院とした.頭蓋骨骨折による気脳症があり、続発性感染症も危惧され、CTRXの静注を行った.重度の疼痛があったため強力な鎮痛を行い、安静臥床にて経過を観察した.幸いにも、回復期を含め、明らかな知的障害やけいれん、意識障害、性格変化や麻痺などの神経学的異常を認めなかった.受傷後17日に全身状態は改善し、退院とした.今後は注意深く、soft neurological sign等の評価も加えて、神経障害の徴候を長期にわたって観察する必要がある. | |
Full Text | No.037 小児用オフロード専用バイクによる頭部外傷 |
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