事例 | 年齢:4歳 9か月 性別:女 体重:14.9kg 身長:99.1cm(頸部まで83cm、頸周り24.5cm) | |
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傷害の種類 | 縊頸 | |
原因対象物 | フード付きパーカー | |
臨床診断名 | 縊頸 | |
直接医療費 | 67,190円(入院) | |
発生状況 | 発生場所 | 自宅の玄関 |
周囲の人・状況 | 自宅内で遊んでおり、一人で玄関から外へ出た.両親および7歳の兄はともに家にいたが、患児が外出したことを特に気にしていなかった. | |
発生年月日・時刻 | 2012年3月11日(日曜日) 午後1時30分頃 | |
発生時の詳しい 様子と経緯 |
自宅の居間で父親と7歳になる兄がピアノを弾いていた.母親は台所にいた.患児が玄関の戸を開き、外出した気配を感じたのが午後1時30分頃であったが、ピアノの音のため詳細は不明である.午後1時40分頃、患児の所在が気になった母親が玄関に行ったところ、開き戸の取手の下部分(写真1)に、患児の着ていたパーカー(写真2)のフード部分が引っかかった状態で、戸は閉まっていた.患児の泣き声が聞こえたため外開きの戸を開けたところ、パーカーの頸部が患児の頸に巻き付いた状態であった.慌ててパーカーを脱がせ、助け出したところ咳をし出した.その際、口唇の色は黒かった.意識消失はなかった.午後1時45分頃には様子が落ちついたようであったため、保護者は受診先を探した.しかし、近隣で受け入れてくれる施設がなく、1時間後に当院に受診となった. | |
治療経過と予後 | 来院時のバイタルサインに異常はみられなかった.眼周囲にうっ血斑(写真3)、頸部前方に線状の皮下出血(写真4)を認めた.状況からパーカーのフードが引っ張られたことによる縊頸であると推測された.遅発性の障害を監視する目的で、生体情報モニターによる管理下で入院とした.入院後は特に状態の悪化を認めず、翌日には退院となった.その後、外来を再受診しているが、一度なくなった夜尿が再び見られるようになった以外は特に状態の変化はみられなかった. | |
Full Text | No.031 フード付きパーカーによる縊頸 | |
類似報告 | No.31 類似事例1 |
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