Injury Alert(傷害速報)

 

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No.030 蛇口による乳臼歯脱臼

事例 年齢:1歳 9か月 性別:女 体重:12kg
傷害の種類 乳臼歯の脱臼
原因対象物 水道の蛇口
臨床診断名 下顎左側第一乳臼歯(ΓD)の完全脱臼
直接医療費 6,000円(早期乳歯欠損のため保隙装置(自由診療で約2万円)が発生する可能性が高い)
発生状況 発生場所 自宅の浴室
周囲の人・状況 母親といっしょに入浴していた.
発生年月日・時刻 西暦2011年3月17日 午後10時頃
発生時の詳しい
様子と経緯
入浴中に、患児が水道の蛇口から直接水を飲もうとした際、蛇口から顔が離れなくなった.母親が体を引き離したところ下顎左側第一乳臼歯が蛇口側にくっついたまま脱落した.ただちに乳臼歯を牛乳に浸して近くの歯科医院を受診した.しかし患児の協力が得られず、処置困難と判断された.そこで当科の受診を勧められた.
治療経過と予後 翌朝、午前10時頃、当科に来院した.現症では、Hellmanの歯年齢はIIA期で、萌出歯に形成不全もしくはう蝕とみられる実質欠損は認めなかった.下顎左側第一乳臼歯(ΓD)は完全脱臼し、歯槽骨内は血餅で満たされ止血していた(図1).残存歯の動揺はみられなかった.患部以外の軟組織損傷は認めなかった.X線所見ではΓD部の歯槽骨に骨折線は認めなかった(図2).ΓDの破折根とみられる不透過像も認めなかった.脱落したΓD部にΓ4の歯胚が確認できた.ΓDの完全脱臼から12時間以上経過していることから再植しても予後不良と判断した.感染防止のため局所の洗浄と投薬を行い、Γ4歯胚への影響も含め経過観察することとした.蛇口は内部に蛇腹構造があり、蛇口の外径は約15mm、内径は6mm、管の幅は約1mmで、蛇腹部分はわずかに可動性がある(図3).
Full Text No.030 蛇口による乳臼歯脱臼
類似報告 No.30 類似事例
No.30 類似事例2

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