事例 | 年齢:4 歳 10 か月 性別:男児 体重:18 kg | |
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傷害の種類 | 誤飲 | |
原因対象物 | 新型コロナウイルス抗原検査キット(図)の抽出液 アジ化ナトリウム入り | |
臨床診断名 | 異物誤飲 | |
直接医療費 | 入院 128,590 円 | |
発生状況 | 発生場所 | 車 |
周囲の人・状況 | 母は,午前11 時すぎに,職場から保育園に本児を車で迎えに行った.その際,車のダッシュボードの上に検査キットを置き,本児を助手席のチャイルドシートに座らせた.検査キットは本児の手が届く範囲に置いてあった. | |
発生年月日・時刻 | 2022 年2 月X 日(月) 午前11 時半過ぎ | |
発生時の詳しい 様子と経緯 |
自宅に到着し,先に母が車から降り,しばらくの間車には本児のみになった.午前11 時45 分頃,母が自宅で検査キットを使用しようとした際に,抽出液が4 本ともないことに気がついた.本児にきくと「中身を自分であけて飲んだ」と言った.本児は無症状であったが,母は心配になり医療機関に電話相談をし,受診することとなった. | |
治療経過と予後 | 午後0 時20 分頃に医療機関を受診した.受診時,症状はなくバイタルは安定していた.テストプレートの包装に検査キット名が記載してあり,それを手がかりに検索をしたところ,アジ化ナトリウムが問題であることがすぐ判明した.しかし,濃度や抽出液の量の記載がなく実際に飲んだ量が不明であったため,家族の同意を得て,胃洗浄と,活性炭と下剤を胃内に注入した.その後は入院しモニター装着下で経過観察を行った.入院後も特に問題なく,翌日退院とした.胃洗浄などの処置が終わった後に,製品会社からの情報が入った.抽出液は0.1%以下のアジ化ナトリウム溶液で,量は0.3 mL とのことであった.検体抽出容器は子どもが簡単に蓋をあけて飲めるようなものであった.後日,母が本児に何故飲んだのかと尋ねたところ「のどが渇いた.ふたを開けたらリンゴのにおいがしたので飲んだ」と言っていたとのことである. | |
Full Text | No.114 新型コロナウイルス抗原検査キット抽出液の誤飲 |
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