Injury Alert(傷害速報)

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No.098 食器洗い機専用粉末洗剤の誤嚥による喉頭びらん

事例 年齢:1歳 3か月 性別:男児 体重:11kg 身長:80.7cm
傷害の種類 誤飲・誤嚥
原因対象物 食器洗い機専用粉末洗剤(弱アルカリ性)
臨床診断名 喉頭浮腫,化学性肺炎,低酸素性脳症
直接医療費 999,850 円
発生状況 発生場所 自宅の台所
周囲の人・状況 父と自宅にいた
発生年月日・時刻 2019 年11 月X 日(土)午後0時頃
発生時の詳しい
様子と経緯
本剤は既製の容器から,他の容器に移されていた(図1).患児は父が目を離している間に,つかまり立ちで手を伸ばし,シンクの上(高さ85 cm)にあった頭上の容器を倒して洗剤を顔面に被り受傷した(図2).直後に啼泣したため,父親が駆けつけたところ,洗剤が顔面 に大量に付着し,口腔内にも少量洗剤が認められた.すぐに洗面所に移動し,父により口の中の洗剤を指で搔き出したが,数分後に意識レベル低下,著明な努力呼吸が出現したため救 急要請となり医療機関に搬送となった.
治療経過と予後 救急車内で心拍数80回/分台の徐脈と酸素飽和度70%と低下があり,努力呼吸も認めたため,救急車内で救急隊員による用手換気が施行された.来院時は酸素投与(リザーバーマスク10L/分)のみで酸素飽和度は保たれていたが,意識障害と著明な努力呼吸と気道狭窄音 を認めていたため,気管内挿管し集中治療室管理となった.抗菌薬と,気道粘膜浮腫に対してステロイド薬を併用し,消化管粘膜障害を考慮してプロトンポンプ阻害薬による治療を開始した.入院4日目に施行した上部消化管内視鏡では明らかな粘膜障害は認めなかった.呼吸状態の改善が得られたため入院5 日目に抜管した.抜管後,呼吸状態は安定していたが,嗄声は残存し,喉頭ファイバースコピーにて喉頭びらんを認めた.入院6日目にけいれん発作の群発があり,同日実施した頭部MRIの拡散強調画像にて前頭葉から後頭葉,頭頂葉の 皮質下白質に広がる拡散低下域を認めた.頭蓋内出血は認めなかった.同日からけいれん発 作に対して,抗てんかん薬投与を開始した.以降は発作認めずけいれんのコントロールは良好であった.入院10 日目よりリハビリを開始し,嚥下機能含め受傷前と同程度まで運動機 能は改善した.入院12日目に施行した頭部MRIでは,初回施行時に拡散強調画像で認めた 高信号は消失していた.入院14日目に施行した喉頭ファイバースコピーでは喉頭浮腫やびらんは改善していたが,嗄声が持続していたため,去痰剤や吸入ステロイドを開始した.明らかな呼吸障害がないことを確認し,入院16日目に退院した.退院後に新たな症状の出現は無く経過し,嗄声も消失した.今後も定期的に外来診療を継続する予定である.
Full Text No.098 食器洗い機専用粉末洗剤の誤嚥による喉頭びらん

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