事例 | 年齢:1歳 2か月 性別:男児 体重:10kg 身長:72cm | |
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傷害の種類 | 薬物誤飲(誤食) | |
原因対象物 | ホウ酸団子 | |
臨床診断名 | 急性薬物中毒 | |
直接医療費 | 8,134 円 | |
発生状況 | 発生場所 | 祖母宅の居間 |
周囲の人・状況 | 祖母,母,姉と同じ部屋にいた. | |
発生年月日・時刻 | 2020 年6 月X 日(水)午後4 時頃 | |
発生時の詳しい 様子と経緯 |
傷害発生当日,祖母宅を訪問していたが,午後4時前に母親が帰宅の準備をしている間,約5分間本児から目を離した.午後4時頃,本児が口をもぐもぐさせていることに祖母が気づ いた.母親が口腔内を確認したところ,ゴギブリ対策用のホウ酸団子を確認したため,口腔内容物を搔き出した上で救急要請した.ホウ酸団子は約1か月前に祖母により作成され,設置されていた.正確な組成は不明であった.約5cm×1cm×1mmの薄型長方形,白黄色であり,口の中から搔き出したものは合計4.5cm×1cm相当となり,欠損は約0.5cm×1cm相当と推定された.高さ約50cmのテレビ台の上,テレビの後方に置かれており,本児がテレビの下から手を伸ばして掴んだと 推測された.祖母宅内には他にもホウ酸団子が複数個配置されていたが,本児が食べた物以外になくなったホウ酸団子はなかった. | |
治療経過と予後 | 医療機関搬送時のバイタルサインは心拍数154回/分,呼吸数20回/分,SpO2 100%(室内気),体温36.9℃,Japan Coma Scale(JCS)は0であった.診察すると,本児に活気はあり,嘔吐や意識レベルの低下,けいれんなどの症状を認めなかった.また,気道・呼吸・循環は保たれていた.嘔吐や下痢,意識障害やけいれん,顔色不良などの症状を認めた際は受診するよう指示し,自宅で経過観察とした.また,事故予防指導を行った.翌日午後の電話での安否確認を行ったが,帰宅後も症状を認めなかったため終診とした. | |
Full Text | No.097 ホウ酸団子の誤食による急性薬物中毒 |
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