事例 | 年齢:1歳 1か月 性別:男児 体重:8.8 kg 身長:73.1 cm | |
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傷害の種類 | 熱傷 | |
原因対象物 | スチーム式加湿器(重量2.3 kg,幅29 cm,高さ30 cm,奥行き16 cm,水タンク容量4 L) | |
臨床診断名 | II度熱傷(背部10%) | |
直接医療費 | 入院費:407,000円,外来通院費:9,810円 | |
発生状況 | 発生場所 | 自宅寝室 |
周囲の人・状況 | 姉(2歳)は患児のそばにいた. 母は同じ部屋の少し離れた場所で作業中であった. | |
発生年月日・時刻 | 2017年12月X日(水) 午後0時30分ごろ | |
発生時の詳しい 様子と経緯 |
スチーム式加湿器(以下,加湿器)は,プラスチック製の棚の上に設置してあった.この棚は,幅70 cm,高さ120 cm,奥行き35 cmあり,引き出し付きで衣類を入れていた. 児が棚近くの床でうつ伏せになって遊んでいたところ,姉が引き出しを出して棚をよじ登ったため,棚が倒れてしまった.棚の上のものはすべて落ち,加湿器は児のそばに落ちた.その際,熱湯の入った部分の蓋が外れ,児の背中に熱湯がかかってしまった. 受傷後,児が泣きながら母の方に這っていったため,母が受傷に気づいた.患児の服を脱がせて熱傷部位を確認したのち,氷冷しつつ医療機関に連絡した. | |
治療経過と予後 | X日午後2時頃に医療機関に到着した.速やかに皮膚科医の診察と処置を受け,II度の熱傷10%と診断された.小児科に入院して静脈路確保,補液が開始された.皮膚科医により連日熱傷部位の洗浄,ジメチルイソプロピルアズレン軟膏と抗菌薬軟膏,創傷被覆材による処置が行われた.経過中に感染を示す兆候はなく,抗菌薬の全身投与は行われなかった.入院後の経過は良好で,感染の合併なくX+7日に退院した. 退院後も皮膚科外来にて入院中と同様の処置を受けて,約1か月で完治した. | |
Full Text | No.093 スチーム式加湿器による背部熱傷 | |
類似報告 | No.93 類似事例1 |
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