事例 | 年齢:兄8歳4か月、妹6歳5か月 性別:男児、女児 体重:兄25kg、妹23kg 身長:兄125.8cm、妹114.2cm | |
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傷害の種類 | 2ルームテント内での一酸化炭素中毒 | |
原因対象物 | 2ルームテント | |
臨床診断名 | 一酸化炭素中毒 | |
直接医療費 | 126,700 円(妹)+126,700 円(兄) | |
発生状況 | 発生場所 | 屋外キャンプ場 |
周囲の人・状況 | 両親と本児たちの家族4 人でキャンプをしていた | |
発生年月日・時刻 | 2017 年11 月X 日(土)午後7 時30 分 | |
発生時の詳しい 様子と経緯 |
両親と兄妹の家族4 人でキャンプ場に,2 ルームテントを持参してキャンプをしていた.2 ルームテントの両テント間の仕切りとテント入口を開放した形で,テント入口タープ下のス ペース付近にバーベキューコンロを設置して調理した.午後 7 時頃にバーベキューが終了し て片付けたのち,家族 4 人がリビングスペースに入り,寒かったため,全体の入り口を地面から 30 cm 程度の隙間を換気用に確保して閉じた.午後 7 時30 分頃に本児たちが奥の寝室スペースであるインナーテントに入ったところ,頭痛を訴え始めて,数分後に意識を失っ て,倒れこんだ.すぐに両親が児をテント外に出して声をかけたところ,その数分後に意識は回復した.自家用車で二次医療機関を受診された. | |
治療経過と予後 | 二次医療機関の受診時(午後8 時),両児ともSpO2 98%(room air)で,頭痛や意識消失などの症状は消失しており,全身状態は良好であった.血液検査データでは,静脈血にて妹である 6 歳女児はCOHb 20.8%,兄の8 歳男児はCOHb 18.5%とそれぞれ高COHb 血症を認 めた.問診と血液検査より,テント内での換気不良による一酸化炭素中毒と判明し,全身状 態は良好であったため,経鼻酸素投与を行って経過観察とした.その後,無症状で経過し た.翌朝にはそれぞれCOHb 0.6%と0.2%まで低下しており,全身状態良好で後障害を認めず,退院した.その後も特に神経学的後遺症を認めず経過している. | |
Full Text | No.083 2ルームテント内での一酸化炭素による中毒 |
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