Injury Alert(傷害速報)

 

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No.079 致死的となり得る成人用医薬品(降圧薬)の誤飲

事例 年齢:1歳 8か月 性別:女児 体重:11.0kg 身長:84.0cm
傷害の種類 薬物誤飲
原因対象物 医薬品;降圧薬(アムロジピンベシル酸塩錠5 mg)
臨床診断名 急性薬物中毒
直接医療費 入院費288,140円,外来費24,180円
発生状況 発生場所 自宅の居間
周囲の人・状況 本児は母と入浴後,先に服を着せられ脱衣所を出ており,母は脱衣所で服を着ていた.アムロジピンベシル酸塩錠5 mg(父の常用薬)のPTP包装シートは,薬袋から出された状態で居間の棚に保管されていた.棚の扉は床に立った本児の手が届かない高さにあった.父は仕事で外出しており,姉(12歳)は居間で読書をしていた.
発生年月日・時刻 2017年10月X日(土)午後10時頃
発生時の詳しい
様子と経緯
午後10時頃,本児は母と入浴後,先に脱衣所を出た.母は脱衣所で服を着ている数分間,本児から目を離していた.午後10時5分頃,先に居間へ行っていた本児が,口の中に手を入れながら脱衣所の母のところへ歩いて来た.母が見ると,本児の口周囲に黄色の粉末が付着していた.母がタオルで児の口腔内をぬぐい,PTP包装シートのアルミ部分の断片を取り出した.その後,母が居間を確認したところ,棚の下に子供用の椅子が置かれ,テーブルの上に6錠分のPTP包装シートが出ていた.そのうち2錠分の中身がなく,シートには噛んだ跡が認められた.シートの他の部分の破損はなかった.姉は同時刻に居間のソファで読書をしていたが,誤飲の瞬間は見ていなかった.午後10時30分頃,かかりつけの医療機関を受診した際には特に症状は認められなかったが,胃内吸引で胃液と黄色の顆粒物が吸引された.同院で胃洗浄後,全身管理目的で別の医療機関に転院した.
治療経過と予後 翌日午前0時20分,病着時のバイタルサインは体温36.9℃,心拍数97回/分,呼吸数24回/分,血圧103/67 mmHg,SpO2 96%(室内気)であった.循環不全徴候は認められなかった.救急外来で施行された血液検査,静脈血液ガスでは異常値を認めなかった.救急外来で活性炭の胃内単回投与を行い,経過観察目的にICUに入室した.入室後,1時間毎に非観血的血圧測定を継続し,低血圧や徐脈,心電図異常などは認めなかった.入院2日目に一般病棟へ転棟し,全身状態良好であったため入院3日目に退院した.退院1週間後に再診し,全身状態は良好であったため終診とした.
Full Text No.079 致死的となり得る成人用医薬品(降圧薬)の誤飲

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