Injury Alert(傷害速報)

 

Injury Alert(傷害速報)

傷害の種類
原因対象物
臨床診断名
検索TOPへ戻る

No.078 複数個の磁石による鼻腔粘膜損傷

事例 年齢:10歳  性別:女児 体重:30kg 身長:150cm
傷害の種類 鼻腔異物
原因対象物 強力マグネット(ネオジム磁石)
臨床診断名 両側鼻腔異物
直接医療費 6,900円
発生状況 発生場所 自宅のリビングルーム
周囲の人・状況 弟とふたりで遊んでいた.
発生年月日・時刻 2018年4月X日(月)午後3時00分
発生時の詳しい
様子と経緯
弟のクラスで,砂鉄を磁石で集める遊びが流行っており,弟と一緒に遊ぶために患児自ら4個入りネオジム磁石(直径13 mm)を100円ショップで購入した.両鼻翼を磁石で挟み鼻声を出して遊んでいたところ,磁石がずれて両鼻腔に入り鼻中隔を挟んで接着してしまった.自力で取り外すことができず,2時間が経過して痛みが強くなった.発生当時より両親は不在であり,患児から事情を聞いた祖母とともに救急外来を受診した.
治療経過と予後 来院時,外鼻孔近くで,磁石が鼻中隔を両側から圧迫している状態を直視下に確認できた.痛みが強いため,前処置としてキシロカインと1万倍希釈アドレナリンを鼻腔内に噴霧した.アリゲーター鑷子での除去は困難であった.そこで,一方の鼻腔で鼻中隔と磁石の間に鼻鏡を鈍的に挿入し,それを介助者が保持したままもう片側の鼻腔でも同様に鼻鏡を鼻中隔と磁石の間に差し込み保持した.すると磁石同士の接着が解除され除去することができた.異物除去後の鼻中隔に穿孔を疑う所見や出血はなく,軽度のびらん形成を認めた.翌日に耳鼻科外来で経過を確認したが,特に有害事象は認めなかった.
Full Text No.078 複数個の磁石による鼻腔粘膜損傷

Acrobat Reader ダウンロード PDFをご覧になる際は、Adobe® Reader™をご利用ください。

ページの先頭へ戻る