刊行物

 

2025年12月15日

日本小児科学会雑誌、Pediatrics International投稿論文にかかわる
人工知能(AI)技術について

日本小児科学会和文誌編集委員会
日本小児科学会英文誌編集委員会

 人工知能(AI)技術(生成AIおよびAI支援技術)は黎明期にあり、その技術革新は飛躍的に進展しています。今後、論文作成においてもAI技術が不可欠となることが想定されます。そこで、日本小児科学会雑誌、Pediatrics Internationalでは、医学雑誌編集者国際委員会のICMJE(国際統一投稿規定)1)の推奨
に基づき、論文を投稿するにあたり、AI技術を使用する場合の基本方針を以下のように定めました。
 また、近年のAI技術の進化と社会的影響の広がりを受け、本誌では今後も継続的に状況を把握し、必要に応じて投稿に関する方針の見直しを行ってまいります。

1. AI技術の使用について

 本方針は、主に執筆過程におけるAI技術の使用に関する方針を定めるものである。文章の明瞭性、可読性、および言語表現の改善のために使用することは可能である。研究過程(例:データの収集・分析・解釈等)におけるAI技術の使用は認められないが、研究デザインの立案の補助や図表の作成に使用する場合は方法を詳細に記載すれば使用可能である。また、例外としてAI技術の使用が研究方法の一部として位置づけられる場合には、状況によって掲載が認められる。

2. AI技術の使用の開示

1)著者が論文執筆においてAI技術を使用した場合、以下の情報をカバーレターに明記する。
・使用したAIツールの名称、バージョン、製造元
・具体的な使用方法および使用箇所
 さらに、原稿内の該当セクションにて、使用内容の開示を行う。

2)開示対象となる使用目的と非対象の範囲
<開示が必要な使用>
・論文内容の創出(英文抄録を含む文章執筆、研究デザインの立案の補助)
・図表・模式図の作成(研究デザインの図示、概念図、フローチャート、または著者が取得したデータの可視化(グラフ、表等)。コンテンツの著作権(第三者が作成した素材や図の二次利用を含む)に留意し、詳細に使用方法を記載)

<開示が必須ではない使用>
・文法・スペルチェックのみの使用
・論文作成に関連した準備作業(データ整理や参考資料作成等)

3)使用内容の開示方法(原稿内の該当セクションに記載)
・文章作成に使用した場合:「謝辞」に具体的な使用箇所および内容を記載すること。
・研究デザインの立案の補助:「方法」の項目に使用方法を詳細に記載すること。
・図表作成に使用した場合:「方法」の項目に使用方法を詳細に記載すること。
<例:謝辞に記載する場合>
 本稿の一部(考察の初稿や背景の構成など)は、[AI名称・バージョン・製造元] の支援を受けて作成された。著者は、AIが生成した全ての内容について精査・修正を行い、科学的妥当性および独自性を確認したうえで採用しており、最終的な内容に関する全責任を負う。

4)データ処理にAIを使用することの注意点
・科学論文には再現性が重要視されるが、データ処理については、AIへの指示内容が具体的でない場合は結果が変わり得るため、原則として使用しない。特に統計処理と解釈は専門家が行う。

3.著者資格について

 AI技術は論文の正確性、完全性、独創性に責任を持たないため、著者として記載しない。また、AIを著者として引用しない。論文の内容に関しては著者が全責任を負う。

4.剽窃防止

 著者は、AI技術が生成したテキストに剽窃がないことを担保し、論文に記載する際には引用資料の原典を確認する責任を持つものとする。

5. 画像の使用禁止

 AI技術により生成された写真風画像やイラスト、既存画像の変換生成物は、剽窃や著作権侵害の可能性を完全に除外できないため、使用は認められない。

6. 査読について

 AI技術は、査読に必要な批判的思考や独自の評価を行うことができず、機密保持の観点からも査読での使用は認められない。

7. AI技術の使用が適切であるか、許容されるかについての最終判断は、日本小児科学会和文誌編集委員会、日本小児科学会英文誌編集委員会で決定する。

 

文献

1) International Committee of Medical Journal Editors. Recommendations for the conduct, reporting, editing, and publication of scholarly work in medical journals. Updated April 2025. https://www.icmje.org/recommendations/ (accessed 2025-7-14)

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