2024年7月23日
日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会
ヒトパピローマウイルスワクチン(以下、HPVワクチン)接種を受けていない「平成9 (1997) 年度生まれ~平成19 (2007) 年度生まれの女性」と「平成20 (2008) 年度生まれの女性」は、なるべく早めにHPVワクチン接種をご検討ください。
HPVワクチンは、平成25 (2013) 年6月から、積極的な勧奨が一時的に差し控えられていましたが、令和3 (2021) 年11月に、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)での評価により「HPVワクチンの積極的勧奨を差し控えている状態を終了させることが妥当」とされたため、令和4 (2022) 年4月から、他の定期接種と同様に、個別の勧奨がおこなわれています。
接種勧奨の一時的な差し控えがあったことから、HPVワクチンの接種を逃した「平成9 (1997) 年度生まれ~平成19 (2007) 年度生まれ(誕生日が平成9 (1997) 年4月2日~平成20 (2008) 年4月1日)の女性」に対しては、公費によるキャッチアップ接種の機会が提供されていますが、キャッチアップ接種として受けられる期間は令和7(2025)年3月末までとなっています。計3回の接種が完了するまでに約6か月間かかることから、接種を希望される方は、なるべく早めに接種をはじめてください。過去にHPVワクチンを1回または2回接種した場合にも、残りの回数をキャッチアップ接種として公費で受けることができます。
また、HPVワクチン定期接種の対象者は小学校6年~高校1年相当の女子ですので、現在高校1年相当の「平成20 (2008) 年度生まれの女性」も、定期接種として受けられる期間は令和7(2025)年3月末までになります。平成20 (2008) 年度生まれの女性で接種を希望される方も、なるべく早めに接種をはじめてください。
公費によるキャッチアップ接種や定期接種の機会を逃しても、任意接種として自己負担でHPVワクチン接種を受けることは可能ですが、2価ワクチンおよび4価ワクチンでは3回接種で4~5万円、9価ワクチンでは3回接種で8~10万円、2回接種で5~7万円の接種費用がかかりますので、接種の希望がある方はこの接種機会を逃さないでください。
なお、令和6(2024)年9月末までに開始すれば計3回の接種が可能ですが、体調がすぐれない中、無理をして接種することにならないよう、ワクチン接種を希望される場合には、早めに医療機関に相談し、余裕をもった接種スケジュールを組んでいただくことをお勧めします。また、ワクチン接種後に体調がすぐれないなどの変化が認められた場合には、接種を行った医師やかかりつけの医師にご相談ください。