各種活動

 

任意接種ワクチンの小児(15歳未満)への接種

2025年10月の主な改訂内容
・9価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの記載を追加いたしました。
・腸チフスワクチンの記載を追加いたしました。
・新型コロナワクチンの記載を修正いたしました。
日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会
2015年11月作成
2016年10月改訂
2017年 9 月改訂
2019年11月改訂
2020年 1 月改訂
2020年10月改訂
2020年11月改訂
2021年 5 月改訂
2023年 4 月改訂
2024年 4 月改訂
2024年10月改訂
2025年10月改訂
全文PDF
 基礎疾患の有無や海外渡航などの状況により、特に接種が奨められる場合のある任意接種ワクチンの接種推奨すべき対象と接種回数を以下に示します。
 なお、各ワクチンともに、接種不適当者に該当する者は対象から除きます。
 また、健康保険適用に関しては、別途記載します。

対象となるワクチン

 

 

ワクチン名 接種適応年齢 接種適応外の年齢 推奨接種対象者と接種回数
任意接種 インフルエンザ菌b型ワクチン(Hib) 2か月以上 なし

推奨接種対象者
ペグセタコプラン・イプタコパン塩酸塩水和物投与患者(発作性夜間ヘモグロビン尿症)
註1:5歳未満児に対しては定期接種 5歳以降は任意接種

接種回数
1回(皮下注射)

23価肺炎球菌莢膜多糖体ワクチン(PPSV23) 2歳以上 2歳未満

推奨接種対象者
2歳以上の全ての肺炎球菌感染症ハイリスク患者(☆)
☆慢性心疾患(チアノーゼ性心疾患、慢性心不全)・慢性肺疾患(高用量の経口ステロイド投与を受けている気管支喘息含む)、糖尿病、髄液漏、人工内耳、鎌状赤血球症などの異常ヘモグロビン症、脾機能低下症、HIV感染症、慢性腎不全、ネフローゼ症候群、免疫抑制療法や放射線治療を受けている者(悪性腫瘍性疾患、白血病、リンパ腫、固形腫瘍)、原発性免疫不全症

接種回数 最後のPCV13/PCV15接種後8週間以上あけてPPSV23 1回接種
5年後にPPSV23追加接種を検討(皮下または筋肉内注射) 註1:PPSV23既接種者でPCV15/PCV20未接種の場合、最後のPPSV23接種後12か月以上あけてPCV15/PCV20を1回接種(PPSV23については最後の接種から5年以上経過していれば再接種可能)
註2:2~4歳児に対するPCV15/PCV20は定期接種 5歳以降は任意接種

15価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV15) 2か月以上 なし

推奨接種対象者
肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる者
具体的には、「慢性的な心疾患、肺疾患、肝疾患、又は腎疾患」、「糖尿病」、「基礎疾患若しくは治療により免疫不全状態である者又はその状態が疑われる者」、「先天的又は後天的無脾症(無脾症候群、脾臓摘出術を受けた者等)」、「鎌状赤血球症又はその他の異常ヘモグロビン症」、「人工内耳の装用、慢性髄液漏等の解剖学的要因により生体防御機能が低下した者」、または、これ以外で医師がPCV15接種を必要と認めた者

接種回数
1回接種(皮下または筋肉内注射)

20価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV20) 2か月以上 なし

推奨接種対象者
肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる者
具体的には、「慢性的な心疾患、肺疾患、肝疾患、又は腎疾患」、「糖尿病」、「基礎疾患若しくは治療により免疫不全状態である者又はその状態が疑われる者」、「先天的又は後天的無脾症(無脾症候群、脾臓摘出術を受けた者等)」、「鎌状赤血球症又はその他の異常ヘモグロビン症」、「人工内耳の装用、慢性髄液漏等の解剖学的要因により生体防御機能が低下した者」、または、これ以外で医師がPCV20接種を必要と認めた者

接種回数 1回接種(筋肉内注射)
*6歳未満の場合は、皮下または筋肉内注射

4価髄膜炎菌ワクチン
(破傷風トキソイド結合体)
(MCV4-TT)
2歳以上 2歳未満

推奨接種対象者
① 髄膜炎菌感染症流行地域へ渡航する2歳以上の者
② ハイリスク患者(補体欠損症・無脾症もしくは脾臓機能不全、HIV感染症)
③ エクリズマブ・ラブリズマブ・スチムリマブ、ペグセタコプラン・ジルコプランナトリウム・ダニコパン・クロバリマブ・イプタコパン塩酸塩水和物投与患者(発作性夜間ヘモグロビン尿症、非典型溶血性尿毒症症候群、全身型重症筋無力症、寒冷凝集素症)
④ 学校の寮などで集団生活を送る者

接種回数
1~2回接種(筋肉内注射)

A型肝炎ワクチン 全年齢 なし

推奨接種対象者
A型肝炎流行地域へ渡航する1歳以上の者(滞在期間にかかわらず)

接種回数
2~4週間隔で2回接種(初回接種)、初回接種後24週をあけて追加接種1回(皮下または筋肉内注射)

狂犬病ワクチン 全年齢 なし

推奨接種対象者
① 狂犬病の流行地域に渡航する場合で、動物との接触が避けられない、又は近くに医療機関がないような地域に長期間滞在する者(曝露前免疫)

接種回数
乾燥組織培養不活化狂犬病ワクチン
3回接種:0(1回目接種日を0とする)、7、21日又は、0、7、28日(筋肉内注射)

推奨接種対象者
② 狂犬病が疑われる動物による咬傷などの曝露を海外で受けた者(曝露後免疫)

接種回数
乾燥組織培養不活化狂犬病ワクチン
4回接種:0(接種部位を変えて、2箇所に1回ずつ、計2回)、7、21日
5回接種:0、3、7、14、28日
6回接種:0、3、7、14、30、90日
(筋肉内注射)

黄熱ワクチン 9か月以上 9か月未満

推奨接種対象者
① 国際保健規則(International Health Regulation, IHR)にもとづいて、入国(トランジットを含む)に際して接種が要求される国へ渡航する月齢9か月以上の者
② 黄熱流行地域へ渡航する月齢9か月以上の者(滞在期間にかかわらず)

接種回数
1回接種(皮下注射)

弱毒生おたふくかぜワクチン 1歳以上のおたふくかぜ既往歴のない者 1歳未満

推奨接種対象者
1歳以上の全てのおたふくかぜ未罹患小児

接種回数
2回接種(皮下注射)
註1:標準的な接種時期
1回目:生後12~24か月
2回目:小学校入学前1年間

季節性インフルエンザワクチン (不活化ワクチン) 6か月以上 6か月未満

推奨接種対象者
全ての6か月以上の小児

接種回数
毎年接種 1~2回接種(皮下注射)

季節性インフルエンザワクチン(経鼻生ワクチン) 2歳以上19歳未満 2歳未満
19歳以上

推奨接種対象者
全ての2歳以上19歳未満の小児

接種回数
毎年接種 1回接種(経鼻)

4価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン 9歳以上 9歳未満

推奨接種対象者
HPVワクチン未接種の9歳以上の男性で接種を希望する者
定期接種・キャッチアップ接種として公費で接種が可能な対象者以外の女性(9歳未満を除く)

接種回数
3回接種
筋肉内注射(0、2、6か月)

9価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン 9歳以上 9歳未満

推奨接種対象者
HPVワクチン未接種の9歳以上の男性で接種を希望する者
定期接種・キャッチアップ接種として公費で接種が可能な対象者以外の女性(9歳未満を除く)

接種回数
2回接種(9歳以上15歳未満)
筋肉内注射(0、6~12か月)
3回接種(15歳以上)
筋肉内注射(0、2、6か月)

新型コロナワクチン 6か月以上 6か月未満

接種対象者
全ての6か月以上の小児

接種回数
6か月~4歳:
初回接種3回(0.3mL/回)、追加接種1回(0.3mL/回)
(ファイザー社製 6か月~4歳用ワクチン)
初回接種2回(0.25mL/回)、追加接種1回(0.25mL/回)(モデルナ社製 6か月~11歳用ワクチン)
筋肉内注射

5~11歳:
初回接種2回(0.3mL/回)、追加接種1回(0.3mL/回)
(ファイザー社製 5~11歳用ワクチン)
初回接種2回(0.25mL/回)、追加接種1回(0.25mL/回)(モデルナ社製 6か月~11歳用ワクチン)
初回接種2回(0.2mL/回)、追加接種1回(0.2mL/回)
(第一三共社製)
筋肉内注射

6~11歳:
初回接種2回(0.5mL/回)(初回免疫にのみ使用可能)
(武田薬品工業社製)
筋肉内注射

12歳以上:
初回接種2回(0.3mL/回)、追加接種1回(0.3mL/回)
(ファイザー社製 成人用ワクチン)
初回接種2回(0.5mL/回)、追加接種1回(0.5mL/回)
(モデルナ社製 12歳以上用ワクチン)
初回接種2回(0.6mL/回)、追加接種1回(0.6mL/回)
(第一三共社製)
初回接種2回(0.5mL/回)、追加接種1回(0.5mL/回)
(武田薬品工業社製)
筋肉内注射

註1:追加接種は毎年1回

ダニ媒介性脳炎ワクチン 1歳以上 1歳未満

推奨接種対象者
ダニ媒介脳炎流行時期に流行地域に渡航する小児

接種回数
初回接種3回(0.25mL/回)筋肉内注射
2回目接種は、1回目接種の1〜3か月後、3回目接種は、2回目接種の5〜12か月後に接種する。免疫の賦与を急ぐ場合には、2回目接種を1回目接種の2週間後に行うことができる。

必要に応じて、初回接種の3年後に追加接種 1回(0.25mL)筋肉内注射を行い、以後5年ごとに追加接種を行う(なお、16歳以上は1回0.5mLとなる)

腸チフスワクチン 2歳以上 2歳未満

推奨接種対象者
腸チフスに感染するリスクの高い地域に渡航する小児

接種回数
1回接種(0.5mL)筋肉内注射(皮下注射も可能)

健康保険適用のあるワクチン

1.破傷風トキソイド
① 外傷後の破傷風発症予防で使用した場合

2.狂犬病ワクチン
① 曝露後(咬傷後)の発症予防で使用した場合

3.4価髄膜炎菌ワクチン(MCV4-TT)
① エクリズマブ・ラブリズマブ・スチムリマブ・ペグセタコプラン・ジルコプランナトリウム・ダニコパン・クロバリマブ・イプタコパン塩酸塩水和物投与患者に使用する場合

4.23価肺炎球菌莢膜多糖体ワクチン
① 2歳以上の脾摘患者における肺炎球菌による感染症の発症予防」の目的で使用した場合
② スチムリマブ・ペグセタコプラン・イプタコパン塩酸塩水和物投与患者に使用する場合

5.B型肝炎ワクチン
① B型肝炎ウイルス母子感染の予防(抗HBs人免疫グロブリンとの併用)
② HBs抗原陽性でかつHBe抗原陽性の血液による汚染事故後のB型肝炎発症予防(抗HBs人免疫グロブリンとの併用)
③ 血友病患者に「B型肝炎の予防」の目的で使用した場合(平成2年3月30日付 事務連絡)
④ 業務外で、当該負傷を原因としてHBs抗原陽性でかつHBe抗原陽性血液による汚染を受けたことが明らかで、洗浄、消毒、縫合等の処置とともに抗HBs人免疫グロブリンの注射に加え、本剤の接種が行われた場合
⑤ 既存の負傷にHBs抗原陽性でかつHBe抗原陽性血液が付着し汚染を受けたことが明らかで、上記④と同様の処置が行われた場合

6.インフルエンザ菌b型ワクチン
① ペグセタコプラン・イプタコパン塩酸塩水和物投与患者に使用する場合

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