ガイドライン・提言

 

アセトアミノフェン製剤の在庫逼迫に伴う、成人患者への解熱鎮痛薬処方時のご配慮のお願い

令和4年11月29日
医療関係者各位
公益社団法人日本小児科学会
薬事委員会
 
 今般の新型コロナウイルス感染症流行に伴い、アセトアミノフェン製剤の在庫逼迫、流通量の減少が発生しております。製造企業にも大変な努力をいただいておりますが、現在も在庫の逼迫により流通量が減少し、特に発熱時に安全に使用できる解熱鎮痛薬に制限のある小児では、必要なアセトアミノフェン製剤が行き渡らない事態が発生しております。
 この状況を重く受け止め、この度、日本小児科学会から日本医師会あてに以下の内容の依頼をいたしました。
 
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 新型コロナウイルス感染症の流行の持続に伴い、ウイルス感染そのものあるいはワクチン接種に際して、成人・小児を問わずアセトアミノフェン製剤が使用される機会が増加しております。その結果、製造企業が増産を行い可能な限りの量を出荷しているにも関わらず、在庫の逼迫により流通量が著しく減少し、アセトアミノフェン製剤が必要な小児患者に行き渡らない事態が発生しております。
 
 小児への解熱鎮痛薬の第一選択はアセトアミノフェン製剤です。5歳以上の小児であれば、イブプロフェンが使用できますが、流通量や剤形等の問題があり、処方には限界があります。また特にインフルエンザ流行時には、アセトアミノフェン製剤以外の解熱鎮痛薬の小児への使用は、ライ症候群を発症する懸念がある点、一部の非ステロイド性抗炎症薬がインフルエンザ脳炎・脳症の予後不良因子である点、等の理由で使いにくい状況があります。つきましては成人患者へ解熱鎮痛薬を処方される先生におかれましては、アセトアミノフェン製剤は他剤の投与が困難な場合に限定して処方する等のご高配をお願い申し上げます。
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 皆様におかれましても、このメッセージを広く医療関係者に周知いただき、アセトアミノフェン製剤が必要な小児患者に供給されるよう成人へのアセトアミノフェン製剤の処方を他剤への変更が困難な場合に限定するようお願いいたします。
 

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