各種活動

 

日本呼吸療法医学会 pSARI(paediatric severe acute respiratory infection)サーベイランス入力について(協力依頼)

2025年1月29日
日本小児科学会会員 各位
日本小児科学会
予防接種・感染症対策委員会
小児救急・集中治療委員会
災害対策委員会
全文PDF
 
 昨年末から、インフルエンザが大規模に流行しており、急性脳症についての報道も年明けからみられるようになりました。今シーズンの主な流行株はA(H1N1)pdm09株で、重症化リスクが比較的高いことが懸念されたため、先んじて年末から、小児集中治療施設群にて発生状況モニタリングをしておりました(paediatric severe acute respiratory infection; pSARIサーベイランス)。
現時点で100例以上の重症例が既に報告され、約半数が脳症ですが、約半数が重症呼吸不全であり、双方の多くに循環不全を伴っていました。成人でも呼吸不全症例が多く報告されたため、小児領域同様の緊急全国調査を1月9日付で開始しました。pSARIサーベイランスは、日本呼吸療法医学会のこの緊急調査に包括されています。
 
 小児症例においては、予防接種との関連性ほか、呼吸不全に対するデバイスラグに対する緊急対応、重症例の搬送・集約化など、同調査の結果に基づき速やかに医療行政的措置をとらなければならない事案が多く想定されております。これまで、小児については小児集中治療施設群での緊急調査にとどめておりましたが、脳症も含めた全貌をより正確に捉え、より正しい方針を学会群として提示するためにも、日本小児科学会会員のみなさまに広くご協力いただけますと幸いです。集中治療室のみならず、小児一般病棟において診療に尽力いただいているHFNC(high-flow nasal cannula:高流量鼻カニュラ)/NPPV(non-invasive positive pressure ventilation:非侵襲的陽圧換気)/人工呼吸を要した症例についても、是非ご登録いただきたく、ご協力の程何卒よろしくお願い申し上げます。
 
 なお、本調査は研究の位置付けでなく、かつ個人が同定されない質問項目で情報収集しておりますので、各施設における倫理申請等は必要ございません。また、収集した情報につきましては、学会等アカデミア内部での使用に留める予定ですが、時期をみて概略情報のみ、一般に公開する可能性がございます。COVID-19パンデミック時にも、同様のスキーム*で情報収集をして、会員のみなさまに情報提供して参りましたが、今回も同様の形態です。
*「新型コロナウイルス関連小児重症・中等症例の発生把握」を指しており、「データベースを用いた国内発症小児COVID-19症例の臨床経過に関する検討」とは異なります。
 
現時点での収集データまとめ、情報入力方法、ならびに2008/09シーズンのA(H1N1)pdm09によるパンデミック時の論文につきましては、以下の入力案内ならびに参考資料をご参照ください。

▼ 入力案内

対象症例:
1)HFNC、NPPV、陽圧人工呼吸、ECMOを必要とした、インフルエンザと診断した症例 ・検査方法や検査有無は問わない。みなし陽性を含む ・病態(呼吸不全、循環不全、中枢不全等)を問わない
2)外来死亡したインフルエンザ症例

入力項目:
性別、年齢層、身長、体重、事例開始日、事例開始時介入(ECMO、人工呼吸、NPPV、HFNC)、事例開始時の病棟、退院日、最終転帰(軽快、死亡、挿管のまま転院、その他)、介入の理由/入室前の経緯、介入後の経緯/その他自由記載、ワクチン接種歴、Pathogen(以上は成人症例との共通項目)、事例変更日、事例変更日の病棟、事例変更時の介入、急性脳症、医療的ケア、基礎疾患、気管切開、ARDS診断。

【ID、パスワード取得方法】
newcrisis_office@iconjapan.net 宛に、病院名、部署名と担当者のお名前とメールアドレスをお伝えください。
①貴施設に集中治療室や救命救急センターがある場合
すでにIDとパスワードが発行されていることが多いです。貴施設の貴施設の集中治療室や救命救急センターの入力責任者をお伝えいたしますので、IDとパスワードを共有して使用してください。
②①以外の場合
IDとパスワードを発行して担当者にご連絡します。

【ログイン方法・入力方法】 別紙をご参照ください。

参考資料

A)現時点での収集データ
B)情報入力方法
C)ICUに入室した新型インフルエンザA(2009-H1N1)感染患者データベースの分析. 人工呼吸 2011
D)パンデミック(H1N1)2009によるインフルエンザ脳症. 脳と発達 2011

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