手足口病、ヘルパンギーナの現状について

日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会

新型コロナウイルス感染症（以下、COVID-19）の流行以降、特に飛沫感染、接触感染を感染経路とする様々な感染症の減少が報告されてきましたが、毎年夏季に流行していた手足口病、ヘルパンギーナの報告数が増加傾向にあります（下図）。

図1　手足口病の発生動向（厚生労働省/国立感染症研究所　感染症発生動向調査感染症週報IDWR2022年第28週（7月11日～7月17日：通巻第24巻第28号より引用）

図2　ヘルパンギーナの発生動向（厚生労働省/国立感染症研究所　感染症発生動向調査感染症週報IDWR2022年第28週（7月11日～7月17日：通巻第24巻第28号より引用）

　各都道府県市の地方衛生研究所等で、手足口病患者から分離・検出されたウイルスは2022年7月29日現在、コクサッキーウイルスＡ６が最も多く、ヘルパンギーナ患者から分離・検出されたコクサッキーウイルスはＡ４とＡ６でした（国立感染症研究所：病原微生物検出情報https://www.niid.go.jp/niid/ja/typhi-m/iasr-reference/510-graphs/1532-iasrgv.html　から引用）。

2022年7月現在、小児COVID-19患者数の急増、RSウイルス感染症の増加等の報告もあり、初期症状のみでは鑑別が困難な場合があります。症状の経過に注意が必要です。