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2022年8月23日

新型コロナウイルス感染症等流行時における小児の発熱時の対応について ~小児科医を含む医療従事者に向けて

日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会

 2022年7月以降、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の小児患者が急増しています。同時に、RSウイルス感染症や、手足口病・ヘルパンギーナ、アデノウイルス感染症などのウイルス感染症も各地で報告が見られています。2022年8月時点で、全国の小児医療は逼迫しており、小児が発熱した際の適切な対応方法に関する情報を保護者に提供しておくことが重要です。また実際の診療では重篤な合併症を見逃さない丁寧な診療が重要です。

発熱時の対応

かかりつけ医から、「こども医療電話相談事業(#8000)」や日本小児科学会による「こどもの救急(http://kodomo-qq.jp/index.php?pname=n8000)」などの情報を含めて、発熱時の具体的な対応方法を保護者に伝えておくことが重要です。

・発熱に対しては小児用の市販薬を含めた解熱剤を適宜使用して経過をみてよいこと

・水分摂取を促し、体温調節をこまめに行うこと

・経口摂取(哺乳)でき、普段通りに眠れていれば、緊急で救急外来などを受診する必要はなく、翌日以降にかかりつけ医を受診してよいことを説明します。

 一方で、経口摂取(哺乳)不良、尿量低下、末梢冷感、顔色不良、呼吸状態の悪化、ぐったりしている、意識がはっきりしない、けいれん、異常行動、嘔吐を繰り返すなどの症状が一つでもあれば、速やかに医療機関に連絡して相談することや、救急車を呼ぶタイミングについて保護者に説明しておきます。そして速やかに保護者が医療機関にアクセスすることができるように、電話相談や地域の医療体制の整備が必要です。

診療時の留意点

 COVID-19を含めた周囲の感染症流行状況、症状、既往歴などの基本的な病歴聴取、バイタルサインの確認、丁寧な身体診察を行い、全身状態の把握や鑑別診断を行います。COVID-19かどうかだけではなく、脱水症、クループ、熱性けいれん、心筋炎、髄膜炎、脳炎・脳症などの重篤な合併症を見逃さずに対応することが重要です。

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