2021年5月21日
各位
日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会
日本小児科学会では、流行性耳下腺炎の発症を予防するために、任意接種としておたふくかぜワクチンの2回接種を推奨しています。接種推奨時期は、麻しん風しん混合ワクチンの定期接種と同時期である1歳と小学校入学前1年間です(http://www.jpeds.or.jp/uploads/files/vaccine_schedule.pdf)。
先般、国内でおたふくかぜワクチンを製造している2社のうちの1社から、ワクチン原液製造工程に逸脱が確認されたため、製造所内で保管していた製品の出荷止めを行う旨の連絡がありました。原因は究明され、再発防止策も講じられておりますが、従来の出荷計画に大幅な遅れが生じ、出荷再開の時期は、2021年10月末となるようです。それまでの間は、1社で製造されているおたふくかぜワクチンのみの供給となり、入手が困難な状況になることが予想されます。
2021年4月16日現在、流行性耳下腺炎の小児科定点あたり報告数は少なく推移していることから(https://www.niid.go.jp/niid/ja/10/2096-weeklygraph/1654-13mumps.html)、日本小児科学会としては、2回目の接種は、供給が再開された11月以降に延期し、1回目の接種を優先したいと考えます。
なお、予防接種推進専門協議会のホームページから「おたふくかぜワクチン供給不足が見込まれる現状での医療施設における対応-予防接種推進専門協議会からのお願い-」が公表されていますのであわせてご確認ください(http://vaccine-kyogikai.umin.jp/)。