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複数のワクチンを混ぜて接種していた医療行為に対する日本小児科学会の見解

2017年5月28日

 2017年4月、東京都品川区の小児クリニックで、複数のワクチンを1つに混ぜて接種(混注)していた医療行為が最短でも5年間、350名以上の子どもに実施されていたことが報告された。同様の混注事例は、2016年4月に東京都北区の小児クリニックでも報告されている。
 異なるワクチンを1つに混ぜて接種することに関しては、その効果と安全性を保証するデータは存在せず、実施してはいけない医療行為であり、ワクチンの添付文書にも「同時接種は可能だが、他のワクチンと混合して接種してはならない」と明記されている。
 日本小児科学会は、2011年に同時接種に対する考え方を発表し、その中でも、同時接種を行う際、「複数のワクチンを1つのシリンジに混ぜて接種しないこと」をその注意事項としてあげている。複数のワクチンを異なる部位(上腕、大腿など)に各々接種する同時接種は、日本の子どもたちが必要なワクチンを適切な時期に接種するための重要な医療行為であることに変わりはなく、同時接種によって子どもへの予防接種を効率よく進めていく必要があるが、混注による接種に関するエビデンスはなく、実施してはならない方法であることを改めて強調する。

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