学生・研修医の方

ようこそ小児科へ

小児科医は子ども総合医

小児科医は、いつの時代にも社会から求められてきました。

20,000人を超える小児科医が「子どもの総合医」として国内のみならず、海外でも子どもの未来を創るために日々活躍しています。

このサイトでは「子どもの総合医」として全国世界で活躍する小児科医の姿を多く紹介いたします。
あなたが目指す「医師としての理想の姿」がそこにあるかもしれません。

子どもの総合医とは
「こころとからだ:臓器だけでなく心もみる」「成長・発達:胎児・出生から次世代まで」「社会との関わり:治療だけでなく社会・保健も」
子どもの総合医へのステップ
「STEP1:医師免許取得」「STEP2:2年間医師臨床研修」「STEP3:3年間小児科専攻医研修」「小児科専門医試験」「STEP4:様々な場で活躍する小児科専門医として…」
専門性との両立

小児科医は、「子どもの総合医」としての能力を軸とし、幅広い診療領域において専門性を深めていくことができます。
日本小児科学会は、分科会への積極的参加を推奨しています。

日本小児科学会分科会  2026年3月現在

  • 日本新生児成育医学会
  • 日本小児循環器学会
  • 日本小児神経学会
  • 日本小児血液・がん学会
  • 日本小児アレルギー学会
  • 日本先天代謝異常学会
  • 日本小児腎臓病学会
  • 日本小児内分泌学会
  • 日本小児感染症学会
  • 日本小児呼吸器学会
  • 日本小児栄養消化器肝臓学会
  • 日本小児心身医学会
  • 日本小児臨床薬理学会
  • 日本小児遺伝学会
  • 日本小児精神神経学会
  • 日本外来小児科学会
  • 日本小児東洋医学会
  • 日本小児救急医学会
  • 日本小児リウマチ学会
  • 日本国際小児保健学会
  • 日本小児体液研究会
  • 日本マススクリーニング学会
  • 日本子ども虐待医学会
  • 日本小児在宅医学会
  • 日本川崎病学会
様々な場で活躍する小児科医
子どもたちの身近なサポーターであり続ける

 私は2022年にクリニックを開業しました。もともと国立成育医療研究センターの総合診療部、アレルギー科で研修した後に、地元秋田の総合病院小児科に戻り、これまで学んだことを活かして地域へ還元してきました。しかし、診療していく中で、アレルギーが重症化してから紹介される子どもが多いことに気づき、もっと早くアプローチできないものかと考え開業に至りました。まだ開業して2年ですが、健診で来られた子どもたちの湿疹への介入であったり、不要な食物除去を早期に解除したりと開業した目的を少しずつ果たせてきていると感じています。食べられなかったものが食べられるようになったときの笑顔、アトピー性皮膚炎のかゆみや気管支喘息の呼吸苦から開放され、快適な日常を送る事ができるようになった清々しい表情の子どもや親御さんを拝見したときには、この仕事をしていてよかった、という充実感を感じます。
 小児科医は各専門性を活かしつつ、子どもの成長・発達、親御さんや子どもたち自身の悩みに寄り添いながら成長を見届けられる、子どもという無限の未来をサポートできる職種だと日々感じています。

千葉 剛史(ちば小児科アレルギークリニック)

医学教育&小児集中治療医としてのキャリア

 私は6年間の一般小児研修後、15年間小児集中治療(PICU: Pediatric Intensive Care Unit)に携わってきました。重症小児を見つけ出すのがゴールではなく、その後スタートする集中治療を最後まで診る事ができるのが醍醐味です。PICUは多様な年齢の小児に対応する知識と処置のスキルが身に付き救命する事ができる、やりがいのある仕事です。診療をする中で後輩の指導育成、医学におけるジェンダー格差に興味を持ち、ハワイ大学留学、岐阜大学医学教育開発研究センターで社会人大学院を修めました。海外留学は子ども2人を連れて行き充実した日々を送り、医学教育とジェンダー格差の日米差を目の当たりにし、貴重な経験を得ました。医学教育学の大学院も、研究手法や客観的なものの見方を身に付ける上で、かけがえのない経験となりました。若手の皆さんには、女性であることや母親であることに負い目を感じずに、自信を持って夢を追いかけて欲しいと思います。

赤嶺 陽子(大阪市立総合医療センター/ハワイ大学医学部小児科)

子どもと家族の暮らす場所で

 私は大学や総合病院の小児科で働いていましたが、医師9年目から小児在宅医療の研修をしています。夫の転勤に伴い、子連れで縁もない札幌への異動でしたが、様々な専門職に支えられ、多くのことを学んでいます。
 訪問診療では、病院では見られない子どもののびのびした姿やご家族との日常を知ることができます。そして、どんな生活を送って、何に困っているのか、その実際がよく見えてきます。時には教科書にあるような医学的な側面が、抱えている問題のほんの一端に過ぎず、医師としてできることは少ないことを痛感します。
 医学の進歩の一方で、人工呼吸器や経管栄養などの医療を日常的に必要とする子どもが増えています。そのような子どもが地域社会で育つには、医療、福祉、教育など様々な分野でサポートが必要です。在宅医療はその土台を担っていると感じています。体調が安定したその先にある、多くの可能性をイメージしながら診療を続けることが私の目標です。

臼井 みほ(生涯医療クリニックさっぽろ)

多様性の中の小児科医の役割

 医師8年目の小児科医で、小児集中治療のサブスペシャルティ研修を積んでいます。初期研修医の時に急性心筋炎の子どもが亡くなるのを間近で見たことがPICU(小児集中治療室)での診療に興味を持つきっかけとなりました。
 PICUでの診療は、まるで緻密なオーケストラのようです。救急医、麻酔科医、心臓血管外科医など、様々な専門性を持つメンバーが協力して重症な子どもたちの治療に取り組んでいます。重症例を対象とするため緊迫した状況も少なくありませんが、それと同時に大きなやりがいを感じる仕事です。
 多様な専門家が集う中で、小児集中治療医としての独自の役割を果たすことは、時に難しくもありますが、小児科医としての視野を広げ、専門性を深める貴重な機会となります。
 小児科医は急性期から慢性期に至るまで、重症から健康な子どもたち、そのご家族まで、幅広い人々を支えることができる可能性があります。小児科医になった皆さんと一緒に働けることを心待ちにしています。

平尾 高(あいち小児保健医療総合センター集中治療科)

医療をより広い視点から

 後期研修修了後、1年の新生児科研修を経て、厚生労働省に医系技官として入省しました。医学部時代から医系技官の存在は知っていましたが、小児医療の現場で医療政策の大切さを実感したことが入省のきっかけです。現在国際保健に関する業務を行っており、国際保健事業の指導的かつ調整的機関である世界保健機関(WHO)における国際会議等の場で一加盟国として日本の意見を発言したり、臨床で活用されるWHOのガイドラインの作成過程を知れたり、貴重な経験を積むことができています。母子保健に関する議題が取り上げられることもしばしばあり、小児医療の現場での経験が役立ちます。月に2回程度小児科クリニックにも勤務しており、行政の影響を肌で感じることができるのも貴重な経験です。直接患者さんと話すことは少なくなりましたが、小児医療の現場の経験を活かして、行政という視点から、国内および国際的な政策作りを通じて、一緒に医療の発展に貢献しませんか。

中村 早希(厚生労働省大臣官房国際課)

研究の世界へ! 〜research mindを大事に〜

 私は、研修医の頃に出会った1人の低血糖の患者さんをご縁に、尊敬する指導医や仲間にも恵まれ先天代謝異常症の研究や診療に携わっています。臨床で難しい状況に遭遇することは少なくないと思いますが、生じた疑問に対して様々なアプローチで解決を目指し、医学の地平を外に広げていこうとする、そんなresearch mindを大事にする小児科医は素晴らしいと思っています。
 そのため、若い先生にはぜひ気軽に研究や大学院への門を叩いてもらえたらと思います。研究の世界を知ることは大きな意味を持ち、臨床での視野も確実に広げてくれます。例えば、遺伝子やタンパク質の研究に触れてみると、同じ解析結果をみても解釈の精度や捉え方が大きく変わり、より深い理解が可能になります。そして、新しいアイデアで“Something New”をみつけにいきましょう。また、研究を共通言語として、国内外の多くの先生方と繋がることができるのも魅力ですね。
 臨床だけでなく研究も通じて、子どもたちの笑顔やご家族のその想いに少しでも貢献できる小児科医になれたらと考えておりますし、そんな小児科の先生や仲間が増えてくれたら嬉しく思います。

笹井 英雄(国立大学法人東海国立大学機構/岐阜大学大学院医学系研究科小児希少難病早期診断・予防医学講座)

あなたの世界が広がれば、子どもたちの世界も広がる

 自分の世界が広がれば、それだけ世界の子どもたちを幸せにできる。小児科医としての人生を豊かにしてくれる経験を留学は自分に与えてくれました。
 大学院で周産期脳障害に対し、幹細胞を用いた治療効果を研究した後、より深くメカニズムを理解する必要があると強く感じ、日本小児科学会と米国Society of Pediatrics ResearchによるJPS-SPR Fostering Leadership Programの後押しを頂き、Johns Hopkins大学医学部小児科・新生児科のLauren Jantzie博士の下、リサーチフェローとして研究に従事することになりました。
 米国での慣れない生活や言語の心配はありましたが、研究は毎日が刺激的で、豊かな研究環境に恵まれ、新しいデータを日々生み出す充実した毎日です。また同じ研究室の大学生や医学部生、新生児科医や他のラボからも多くの刺激をもらうことができます。多くの苦労はありますが、生涯研究に取り組むための豊かな視点を留学で得ることができました。
 子どもたちは可能性で満ち溢れています。そして研究は子どもたちへの希望です。留学はその希望を大きく膨らませ、小児科医としての人生を豊かにしてくれると確信しています。ぜひ小児科医として世界に挑戦して下さい!

北瀬 悠磨(Johns Hopkins School of Medicine, Pediatric, Neonatology)

おうちへつなげる新生児医療

 私は熊本大学病院で新生児科医として仕事をしています。NICUに入院している赤ちゃんは1,000gに満たない小さな赤ちゃんから、染色体に変化を伴う疾患のある赤ちゃんまで様々です。いくつかの危機的な状態を乗り越えて無事に退院していく赤ちゃんが多数ですが、中には医療的ケアが必要であったり、残念ながら亡くなってしまう赤ちゃんもいます。私が気を付けているのは、生まれてすぐに入院して家族と離れ離れになってしまうけれど、家族の思いも聞きながら一緒に赤ちゃんの人生を考えていくということです。以前私が担当した染色体異常の赤ちゃんも、ご両親の「赤ちゃんがなるべく苦しい思いをして欲しくない、けれどおうちで家族で楽しく過ごしたい」という希望をどのように形にしていくか、ご両親と何度も話し合いました。私自身も二人の子どもがおり、自分の子どもへの想いというのは痛いほどわかります。新生児科はその想いを聞いて、赤ちゃんを家族のいるおうちへとつなげる、とてもやりがいのある分野だと思います。

今村 紘子(熊本大学病院 小児科)

地域で発達障害の子どもに寄り添う

 みなさんは発達障害にどんなイメージを持っていますか? 私は地域の小児科医として、毎日、感染症の診療や健診、予防接種などをしています。そうして子どもや家族と接していると、発達特性のために困難を抱えた子ども、その子どもと一緒に途方に暮れている家族によく出会います。地域のニーズに応える形で発達障害に関わるようになりました。
 言葉が出ない、ケンカばかりしている、学校に行けない-発達障害の診療では、そうした子どもと家族の話を聞きながら、学校や福祉と連携し、一緒に悩み、時には励まし、あるいは叱咤して子どもの成長に10年以上寄り添って行きます。子どもたちが辛い経験、厳しい状況を乗り越えて成長するのを見守る中で、その子の人生そのものに触れる瞬間に「小児科医になって良かった~♡」と思います。
 大学や初期研修で学ぶ機会は少ないのが現状ですが、小中学生の5%-10%が発達の課題を抱えているという調査もあり、発達障害は気管支喘息や食物アレルギーに並ぶCommon Problemの一つになっています。私たち小児科医は普段は病気を治していますが、発達の課題に早期に関わって「健康に生まれた子どもを健全に成長させる」ことも、これからの小児科医に求められる大切な役割です。 
 まだまだ発達障害に関わる小児科医は足りません。みなさんも、小児科医として子どもと一緒に泣いて笑って、その子の人生に触れてみませんか? きっとやりがいを感じられると思います。

市河 茂樹(安房地域医療センター小児科)

小児科専門医から次のステップへ
子どもたちの人生を豊かに!

 私は医師12年目で、総合病院に勤務しています。元々子どもが好きで、総合診療から救急対応、集中治療まで全身を診ることができ、さらに自分の専門を持つこともできるところに魅力を感じ、小児科医の道にすすみました。子どもの笑顔、そして成長を保護者と共に見守れることが、私の喜びであり、モチベーションとなっています。
 私は研修医のときに食物アレルギーの奥深さに惹かれ、現在はアレルギー専門医として診療を行なっています。アレルギー診療は、食物アレルギーだけでなく気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎など多岐にわたり、またアレルギーマーチといわれるように、それぞれの疾患は関連していて、総合的な診療が求められます。さらにアレルギー患者は年々増加、低年齢化しています。乳幼児期の介入がその後のアレルギー増悪や新規発症の予防に繋がることが知られているため、小児科医の重要な役割の一つと考えています。アレルギー診療は、子どもが安心して、可能な限り制限なく日常生活を送れるようお手伝いをする、子どもの人生を豊かにすることができる分野です。みなさんも、小児科医という仕事に魅力を感じてくれたら、嬉しいです。

吉田 安友子(愛媛県立中央病院小児科/愛媛大学医学部小児科学)

毎日がブランニューデイ

 先日初めてフルマラソンを走りました。なんとか制限時間内にゴールできた時は日々味わえない達成感を感じました。
 僕は小児科専門医を取得した後は日々の業務に追われ、次の目標がぼやけていました。色々なことができるようになっても「小児科専門医プラス」、「ハイパー小児科医」といったものにはなれません。となるとサブスペシャルの専門医ですよね。
 怠け者なもので何かしらの目標がないと中々努力できません。日々の業務で1日が終わるという無限列車から抜け出すのは困難です。上司の勧めもあり小児感染症専門医を受けるという明確な目標ができました。普段やってきていることが「専門医」という形で残るのはフルマラソン完走のようにやってきたことが証となり、とても嬉しく感じました。もちろん専門医習得後は専門家として日々相談されますが、これもまた勉強になり、より多くの経験ができます。「小児○○専門医」、カッチョ良くありませんか? プラスアルファの特殊技能がある小児科医は魅力的だと思います、もうマラソンは懲り懲りですが。

森内 巧(医療法人敬愛会中頭病院小児科)

自らの子育て経験をキャリアに活かす
母の強さを知り、子は父を親にする

 私は、先天性僧帽弁閉鎖不全症で小さい時から通っていた母子センターで、専門医研修をしております。優しくご指導頂ける先生方、頼り甲斐のある同期に恵まれ、生き生きと仕事をしております。
 精神科で同じく専門医研修中の妻の妊娠が分かったとき、2人で育てたいと、上司の和田先生に相談し4か月の育休を取得しました。快く送り出してもらえて本当に有難く思いました。
 いざ自分の子の立ち合いとなると不安でいっぱいでしたし、退院後は泣き続ける娘の世話で2人とも寝不足が続き、産後ケアや実家を頼りながら何とか睡眠を補いました。何事も知識として知っていても現実は大変でした。世の中のお母さん、お父さんは凄いなぁと改めて感じ、同時に幼い頃に二度も手術を受けた自分を育ててくれた両親のことも思い起こしました。育休はあっという間に終わり、現在は母子センターの託児所に娘の送り迎えをしながら、研修を再開しています。
 お子さんが受診されるお父さんお母さんは悩み不安は計り知れないと思います。小児科医の自分ですら、我が子のことだと自信がなかったし、また自分の父母もそうだったのだと改めて感じました。うんうん、そうだよね、我が子もそうだったよ、でも大丈夫と自信を持って言えるようになったのは一児の父親になったおかげだと思います。幼少期から、母子センターにお世話になり、また小児科医としてだけでなく父親としても育ててくれた母子センターには感謝しています。

矢野 智也(大阪母子医療センター総合小児科)

子育てでの全ての経験が仕事に活かせる

 私は現在、大学の医局に所属し関連病院で勤務しています。専門医取得後に大学院に入学し、その後大学病院で感染症専門医として勤務し、産休・育休を経て現職に赴任しました。2歳の長男と遠距離通勤の夫と暮らしています。時には使用可能なサービスやリソースを全て使って生活を回すこととなりますが、家族・職場・医局など周囲の理解と協力があって、働き続けることができています。同僚は子育て世代や経験者の方が多く、多様な働き方・子育て経験をしてきた先輩方が後輩のために道を作り、また自身のモデルにもなっていて、本当にありがたいと思っています。そして、やはり小児科医は子どもを大事にする性分でして、子育てを応援してくれる方が周りに多いことが励みになります。小児科は、仕事の知識や経験が子育てに役立つのみならず、自身の子育て経験が仕事に生かせる診療科です。乳児期に間近で見つめる発達過程、よくある感染症のホームケア、親の心理状態の経験、地域社会での他職種との関わりなど、自分の子どもと過ごす日常生活の全てが仕事に役に立つ、稀有な診療科だと思います。仕事も子育ても全力でやりたい、そんな皆さんの仲間入りを大歓迎しています。

奥園 清香(福岡歯科大学医科歯科総合病院)

密着! 小児科医の一日
目の前の子どものために何ができるか

 高校卒業時は総合医に憧れて医学部に入学し、そのまま卒業しました。研修医2年目で小児科研修を行った時に「子どもと仲良くなりながら子どもや保護者から訴えを引き出すこと」や「保護者といっしょにその子のためになにができるかを考える奥深さ」が面白いと感じたので小児科専攻を決めました。現在私が勤務している津山中央病院は岡山県北という人口20万人の地域で唯一小児科入院のできる施設です。common diseaseや専攻医が経験しにくい貴重な症例、社会的に他業種との連携が必要なご家族まで、上司から熱い指導をいただきながら経験させてもらっています。
 小児という対象に医療・看護・リハビリ・養育・行政など様々な立場から関わることができ、自分の子どもにもその経験を活かせるのが小児科という分野の強みです。専攻を決めたときの小児診療への期待を遙かに超えて楽しい日々を過ごせており、小児科を選んで良かったと心から思います。少しでも子どもの診療に興味があるなら、小児科はそれを裏切りません。

こんな一日を過ごしています

7:50 登院
8:30 入院症例回診、救急外来患者のチェックなど
毎日の症例カンファレンス(救急外来症例や入院症例の報告・相談)
9:00 病棟全体回診や外来業務(新患や紹介患者の対応、リハビリ診察)
12:30 病棟カンファレンス(入院症例の経過や退院までの見通しの報告)
13:00 昼食
13:30 エコー検査など病棟業務
14:00 定期外来、平均10名程度
17:00 外来終了、紹介状の返書や次回の予習
18:00 帰宅

堀江 航(津山中央病院小児科/鳥取大学医学部周産期・小児医学)

育児経験を糧に小児科医として働き続けたい

 私が小児科医になることを決めたのは研修医2年目の頃です。元々子どもが好きだったことと、患者さんである子どもたちから自分が元気をもらえるというところで、小児科ならずっと続けられそうだと考えたからです。専攻研修では様々な病院で勤務させていただき、一般的な感染症から重症な疾患を抱える子までたくさんの子ども達を診療しました。辛い場面もありましたが、指導医の先生方のサポートを得て、自分のできることが少しずつ増えていき、無事に専門医取得に辿り着きました。
 現在は結婚し、育児をしながら勤務を続けています。小児科で得た知識が育児に役立つことがあり、逆に育児で経験したことを診療に活かすこともでき、改めて小児科医になってよかったと感じています。家事・育児と仕事との両立は大変ですが、周囲の先生方の理解・協力が得やすいのも小児科という科の特性だと思います。子ども達が小さいうちは家庭を優先したいという気持ちがあり、夜間・休日の当番は免除させていただき勤務していますが、いずれ子どもが大きくなったら仕事の時間を増やしていき、サブスペシャルティ領域の勉強も進めたいです。
 子ども達の元気に退院していく姿、頑張って書いてくれた感謝の手紙など、原動力になるものが日々得られる素敵な科です。今後も子ども達の笑顔のために働いていければと思います。

こんな一日を過ごしています

5:30 起床
家族の食事の準備、洗濯、自分の準備など
6:30 子ども起床、準備
7:20 病院へ出勤
8:30 朝カンファレンス
9:00 朝回診
10:00 外来・新患対応など
11:00 入院検査(食物経口負荷試験など)
12:00 昼食
13:00 外来・新患対応など
16:30 退勤
17:00 保育園にお迎え
17:15 帰宅、夕飯準備
18:30 夕飯
20:00 子どもと入浴
21:00 子どもの寝かしつけ
22:00 自主学習など
0:00 就寝

伊師 篤子(東北医科薬科大学病院)

先輩小児科医の取り組み
自分らしく、欲張りに!

 小児科に入局して数年間は、純粋に仕事が楽しくて仕方がありませんでした。重症患者が入院すれば数日つきっきり。その子が回復して退院時に手紙をもらい感動して、この仕事をずっと続けていきたいと心から思いました。
 そしてその数年後。私自身も親となり、産後数か月は歩くこともままならず、泣き続けるわが子を抱いて途方にくれる事態に。もう今までのようには働けない。ここからのキャリアはどう積む? 重症の入院があったときに「ここから泊まりこんで診ます!」と言っていた自分の姿は、はるか遠くにかすみました。
 そんな私の産前産後は今振り返ればちょうど過渡期で、病棟は主治医制からチーム制に徐々に移行するタイミングでした。女性医師たちで話し合い、産後半年で病棟に復帰する方針を定めたこともあって、チームの層は厚く多様化し、病棟医も休日を確保しつつ働けるようになりました。家族の生活を支えるというタスクでエネルギーを削がれても、チームメイトのサポートのおかげで診療業務は滞らず、私は小児科医として働く喜びを手放さずに済んだのです。子どもが7歳と5歳になった今は、副病棟医長として病棟業務に従事しながら、臓器別グループのチーフを務めています。
 自分の子どもと過ごす時間、小児科医としてのキャリア。どちらも大切で、自分を形づくるかけがえのないものです。自分らしく欲張りに働いていきましょう!

髙﨑 麻美(富山大学小児科)

子どもの総合医としての小児科医の魅力

 小児科医は子どもの総合医です。子どもの総合診療医ではありません。診断・治療だけの医師ではないからです。小児科医は、心身の全てをみる能力(心身軸)、成長・発達をみる能力(成育軸)、取り巻く社会環境をみる能力(社会軸)を有した3つの総合医なのです。
 ある中学生が「虐待」をテーマにした自由研究で、日本小児科学会に取材にきたことがありました。私は中学生に投げかけました。「夫婦喧嘩は医師が取材対象にはならないのに、虐待や不登校ではなぜ日本小児科学会に取材しようと思ったのでしょうか」。戸惑いながらも聡明な中学生は気付きました。小児科医の活動は診療だけでなく、その幅広い活動はすでに社会で認知されていることを。小児科医は、子どもたちの健やかな生活のために医師として包括的な活動をしているのです。「子ども」がkeywordであれば、子どものadvocator(代弁者)である小児科医には活動の場の制限はありません。
 少子化で小児科専攻を危惧する意見もありますが、これほど多様性、将来性と必然性に秘めた医療分野は他にはありません。我々はこれまで病院中心に考えすぎていました。次世代の子どもたちのために活動の視点を広げ、総合性のバランスをとっていく必要があります。子どものadvocateできる小児科医としてともに活動してみませんか。

島袋 林秀(国立成育医療研究センター総合診療科)

多様性というピースをつなぎ合わせながら

 小児科はやりがいのある科です。やりがいがある分、ちょっと大変なところがあるかもしれません。私たちの目標は単に病気を治すことではなく、家庭環境などにも配慮し、子どもたちやその家族を幸せに導くことです。将来ある子どもたちに持続的な幸せを提供するためにも、私たち自身が幸せにならなければなりません。そのためには自分や周りの人を大切にし、互いに支えあうことが大切です。いろいろな働き方を認め、受け入れることが多様性を育むことになります。多様性というと色々な特徴を持つ人の集まりで、不安定や脆いといった印象を受けるかもしれませんが、多様性があるからこそ様々な角度から物事を見ることができ、変化に対応しやすくなると私は思います。
 チャールズ・ダーウィンは「最も強いものや賢い者が生き延びるのではない。唯一、生き残るのは変化できる者である」という言葉を「種の起源」に残しています。ただ生き残るのではなく、“幸せに”生き残ることを目指しましょう。ご覧いただいたように、小児科医にはいろいろな働き方があり、それこそが多様性です。私たちの施設にも当直ができなくても外来・病棟業務を担当している医師や、臨床から離れて研究を中心に取り組んでいる医師もいます。チーム制やタスクシフトなど働き方を工夫することで、当直だって寝ないで1日中働き続けるわけではなく、その前後で休むこともできます。
 様々な形の個性や働き方を受け入れ、働き方改革という大きな課題を乗り越えましょう。ジグソーパズルのピースをつなぎ合わせるように、人それぞれの想いを紡ぎながら、子どもたちと一緒に“幸せ”になりましょう。

山中 岳(東京医科大学小児科・思春期科学分野)

ようこそ小児科へ

学生・研修医の方々向けのパンフレット「ようこそ小児科へ」はこちらからご覧いただけます。

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