小児科学会からのお知らせ

カルニチン欠乏症の診断・治療指針 2018について

日本小児連絡協議会栄養委員会
委員長 位田 忍

 カルニチン欠乏症はさまざまな年代で意識障害、けいれん、横紋筋融解症、脳症、頻回嘔吐、精神・運動発達の遅延、心肥大・心筋症・心機能低下および突然死(あるいはその家族歴)など重篤な症状を呈します。日常臨床で必ずしも稀ではなく、医師がカルニチン 欠乏症を正しく診断して治療する必要があります。2016年に本委員会で作成した「カルニチン欠乏症の診断・治療指針 2016」が役立ち、「血中カルニチン2分画検査」が2018年2月に保険適用されました。カルニチン欠乏症の診断と治療モニターが容易かつ正確になってきました。そこで小児だけでなく高齢者を含めた幅広い年齢層のカルニチン欠乏症の診断・治療を念頭に、2016年版の改定作業を実施し、2018年版を作成しました。2016年版をもとに日本重症心身障害学会、日本肝臓学会、日本透析医学会からの委員が加わり、それぞれの学会に関連する項目の最新情報を含めて内容の見直しを行いました。日本小児科学会学会ホームページ上にて2018年8月1日~8月22日の間にパブリックコメントを実施し、いただいたコメントについて当委員会内にて検討の上、該当箇所を一部修正し対応し、最終版といたしました。

 今回、測定法が保険適用されたことから、診断される症例が増え投与量などに新しい知見が出てくることが期待されます。この指針を日常臨床に大いに活用していただきたいと考えます。

 なお、今回の指針は2018年版のエキスパートオピニオンとし、今後も3-4年ごとに新しい知見を加えて見直しを行う予定であることを申し添えます。

 本指針はHOME  > ガイドライン・提言  >  ガイドライン からご確認ください

 

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