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        日本小児科学会雑誌 目次 | 
         
         
        
         
        
        
        (登録:23.1.25) 
        
        
        
        
        第127巻 第1号/令和5年1月1日 
        Vol.127, No.1, January 2023
        
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        | 日本小児神経学会推薦総説 | 
         
        
         
        
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        小児科医であれば知らないと困る,遺伝医療における倫理的配慮 
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        | 福與 なおみ  1 | 
         
        
        | 原  著 | 
         
        
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        | 牧村 美佳,他  10 | 
         
        
        | 症例報告 | 
         
        
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        | 武田 真梨子,他  16 | 
         
        
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        | 遠藤 詞織,他  22 | 
         
        
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        | 峠 千晶,他  28 | 
         
        
        | 短  報 | 
         
        
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        | 石川 真一,他  32 | 
         
        
        | 論  策 | 
         
        
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        | 菊池 健二郎,他  36 | 
         
        
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        |   42 | 
         
        
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        |   43 | 
         
        
        | 日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会 | 
         
        
        |   Injury Alert(傷害速報) | 
         
        
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        |   48 | 
         
        
         
        
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        No. 120 エナジードリンクによるカフェイン中毒疑いの事例 
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        |   52 | 
         
        
         
        
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        No. 121 金属片を内蔵した加熱式タバコの誤飲による消化管異物 
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        |   55 | 
         
        
        | Injury Alert(傷害速報) | 
         
        
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        |   59 | 
         
        
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        |   60 | 
         
        
        | 日本小児科学会移行支援に関する提言作成ワーキンググループ委員会報告 | 
         
        
         
        
        |    | 
        小児期発症慢性疾患を有する患者の成人移行支援を推進するための提言 
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        |   61 | 
         
        
        | 日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会報告 | 
         
        
         
        
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        データベースを用いた国内小児新型コロナウイルス感染症の臨床症状に関する評価 
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        |   79 | 
         
        
         
        
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        コロナウイルス感染症2019流行下における国内小児医療の現状に関する調査 
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        |   84 | 
         
        
        | 日本小児科学会成育基本法推進委員会報告 | 
         
        
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        |   90 | 
         
        
        | 日本小児医療保健協議会栄養委員会報告 | 
         
        
         
        
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        小児科外来における母親への栄養・食生活支援に関する多施設観察研究〜ヘルスリテラシーに着目して〜 
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        |   96 | 
         
        
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        |   103 | 
         
        
         
        
        日本小児科学会英文誌 Pediatrics International 2022年64巻11月掲載分目次 
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        |   105 | 
         
        
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        |   108 | 
         
         
         
        
        
         
         
         
        
        
         
        
        
        
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         【原著】 
        ■題名 
        コロナウイルス感染症2019流行による休校措置が肥満症児の体重管理に及ぼした影響 
        ■著者 
        地方独立行政法人福岡市立病院機構福岡市立こども病院内分泌・代謝科 牧村 美佳  古園 美和  小山 紀子  河野 敦子  都 研一 
        ■キーワード 
        コロナウイルス感染症2019(COVID-19), 休校措置, 小児, 肥満, 肥満度 
        ■要旨 
        
         コロナウイルス感染症2019(COVID-19)パンデミックによる休校措置が肥満症児の体重管理に与えた影響について検討した.対象は6歳以上18歳未満で,休校開始日以前1年間(PHASE1,P1)と休校開始1か月前から登校再開1か月後までの間(PHASE2,P2)にいずれも2回以上の受診があり,体重に影響する合併症等がない,小児肥満症の診断基準を満たした単純性肥満(OB)37名,および,対照群の先天性甲状腺機能低下症(CH)22名.P1およびP2での村田式肥満度での1か月あたりの変化率(ΔOI)を算出し,比較した.OB群のうち,P1で肥満が改善傾向にあったP1肥満改善群ではΔOIがP1−1.07±0.86%/月からP2+0.77±1.74%/月と有意に悪化したが(p=0.001),増悪傾向にあったP1肥満増悪群ではP1+0.66±0.96%/月からP2+0.84±1.93%/月と有意な変化はなく,また,個人差も大きかった.CH群でもP1からP2にかけてΔOIの有意な上昇を認めたが,P1肥満改善群に比べて軽度であった.特にP1肥満改善群で肥満の悪化が顕著であった理由として,休校による食事内容と運動量の変化が原因であることが推測された.長期休校下では,肥満症児の体重管理は注意すべき重要な問題のひとつであり,休校期間中も継続して食事運動についての療養指導を行う必要がある.
         
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         【症例報告】 
        ■題名 
        どんぐりでアナフィラキシーを来したナッツアレルギーの児における交差アレルゲン解析 
        ■著者 
        船橋市立医療センター小児科1),麻布大学生命科学部生化学教室2),千葉大学予防医学センター3) 武田 真梨子1)  曽川 一幸2)  佐藤 純一1)  下条 直樹3) 
        ■キーワード 
        どんぐり, ナッツアレルギー, 共通抗原, プリックテスト, イムノブロット 
        ■要旨 
        
         カシューナッツ・クルミにアレルギーを有する小児が,どんぐり(スダジイの実)を摂取してアナフィラキシーをきたした.プリックテストおよびイムノブロッティングとアミノ酸組成解析などから,どんぐりとカシューナッツ,クルミの間にIgE抗体が認識する共通抗原が存在することが示唆された.ナッツアレルギーの既往のある児の場合,どんぐりの摂取には注意が必要である.
         
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         【症例報告】 
        ■題名 
        小児期発症の1型糖尿病の経過中にVogt-小柳-原田病を発症した女子 
        ■著者 
        自治医科大学附属さいたま医療センター小児科1),同 眼科2) 遠藤 詞織1)  菅原 大輔1)  松浦 未紗1)  御任 真言2)  市橋 光1) 
        ■キーワード 
        1型糖尿病, Vogt-小柳-原田病, DRB1*04:05, ステロイドパルス療法 
        ■要旨 
        
         我々は,小児期発症の1型糖尿病の経過中にVogt-小柳-原田病(以下,原田病)を発症した症例を経験した.症例は11歳時に抗GAD抗体陽性の緩徐進行1型糖尿病を発症し,sensor-augmented pump療法(以下,SAP療法)で血糖コントロールは良好だった.18歳6か月時に視力障害を主訴に眼科を受診し,原田病と診断された.原田病に対してステロイドパルス療法を行い,眼症状は改善した.本症例のHLA genotypeはDRB1*04:05で,原田病の疾患感受性に最も強い相関があり,1型糖尿病においても疾患感受性を示す頻度の高い表現型であった.1型糖尿病患者が急な視力低下などの眼症状を訴えた場合は若年者でも原田病を鑑別に入れることが重要である.また原田病に対するステロイドパルス療法中の血糖管理にSAP療法が有用であった.
         
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         【症例報告】 
        ■題名 
        ワクチン追加接種後に肺炎球菌3型による尿路感染症を発症した肝移植後の幼児 
        ■著者 
        国立成育医療研究センター小児内科系専門診療部感染症科1),千葉大学真菌医学研究センター感染症制御分野2) 峠 千晶1)  庄司 健介1)  宮入 烈1)  竹内 典子2)  竹下 健一2)  石和田 稔彦2) 
        ■キーワード 
        肺炎球菌, 尿路感染症, 臓器移植, 13価肺炎球菌結合型ワクチン, 23価肺炎球菌莢膜多糖体ワクチン 
        ■要旨 
        
         臓器移植後患者に対して,13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)と23価肺炎球菌莢膜多糖体ワクチン(PPSV23)の連続接種が推奨されているが,その有効性については知見が少ない.われわれは両ワクチン接種後に肺炎球菌による尿路感染症(UTI)を発症した幼児例を経験したので報告する.胆道閉鎖症に対し生後6か月で生体肝移植後,シクロスポリンを内服中の3歳女児が,発熱と活気不良を主訴に来院し,尿培養で肺炎球菌が分離された.分離された肺炎球菌はワクチン含有血清型の3型で培地上はムコイド形成を認めた.本症例は肝移植後にPCV13を2回,その後PPSV23を1回接種していたが,血清型3型に対する特異抗体価とオプソニン活性は急性期では比較的低値で,回復期に有意に上昇していた.本症例では尿から肺炎球菌のみが分離され,治療反応性と罹患後に特異抗体価とオプソニン活性の上昇を認めた点を併せて肺炎球菌によるUTIと診断した.ワクチンによる特異免疫が誘導されにくい血清型3型肺炎球菌が起炎菌であったこと,肝移植後で免疫抑制薬内服中であったことが,本症例でワクチン接種後にも関わらず同菌によるUTIを発症した原因と考えられた.
         
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         【短報】 
        ■題名 
        心臓MRIを行い診断した小児のCOVID-19ワクチン関連心筋炎 
        ■著者 
        市立旭川病院小児科 石川 真一  中嶋 雅秀  古川 卓朗 
        ■キーワード 
        コロナウイルス感染症2019, COVID-19ワクチン, COVID-19ワクチン関連心筋炎, 心臓MRI 
        ■要旨 
        
         各国でCOVID-19ワクチン関連心筋炎が報告されているが,本邦小児での確定診断例の報告はまだない.今回我々は,心臓MRIを行い診断した心筋炎確定例を経験した.患者は14歳男子,2回目のワクチン接種後に発熱・胸痛が出現し紹介入院となった.心電図で広範なST上昇,血清トロポニンI高値を認め,MRIを行い心筋炎と確定診断した.対症療法のみで臨床症状・検査所見は速やかに正常化したが,2週間後のMRIでは異常所見が残存していた. 
         COVID-19ワクチン接種後に胸痛が出現した児に対しては,心筋炎を念頭に積極的に心電図や血清トロポニンなどの評価を行う必要がある.
         
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         【論策】 
        ■題名 
        救急救命士のミダゾラム口腔用液に対する意識調査 
        ■著者 
        埼玉県立小児医療センター神経科 菊池 健二郎  浜野 晋一郎  松浦 隆樹  竹田 里可子  堀口 明由美  平田 佑子  小一原 玲子  岡 明 
        ■キーワード 
        救急救命士, 救急救命処置, てんかん重積状態, 病院前, ミダゾラム口腔用液 
        ■要旨 
        
         【目的】救急救命士を対象に,小児けいれん性てんかん重積状態(status epilepticus:以下、SE)の搬送の実状とミダゾラム口腔用液(以下,本剤)に対する認知度や考えについて,アンケートを行った. 
         【対象と方法】以下の内容について調査した.1)小児けいれん性SEの搬送経験と搬送時の感想,2)本剤の認知の有無と認知した方法,3)本剤使用後の救急要請に対する考え,4)救急救命士の本剤使用に対する考え. 
         【結果】回収率は65.6%(1,257/1,917人)で,有効回答1,156名(60.3%)を解析した.全体の90%で小児けいれん性SEの搬送経験があり,搬送時に救急救命士あるいは保護者が何らかの治療をできると良いと回答したのがそれぞれ70%と60%であった.保護者が本剤使用後に救急要請することに対して約80%は肯定的であり,要請時には本剤使用を伝えて欲しいという要望が98%であった.将来的に救急救命士が本剤使用を希望すると回答したのが約45%,希望しないが17%であった.希望しないと回答した理由として,約60%が有害事象発生時の責任の所在が不明確になることを,約40%が副作用に対する適切な対応ができないことをそれぞれ挙げた. 
         【考察】多くの救急救命士は,小児けいれん性SEに対して早期治療介入の必要性を感じていたが,本剤使用時の副作用への対応を含めた教育や使用時責任所在の明確化など解決すべき課題がある.
         
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