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											日本小児科学会雑誌 最新号目次   | 
										 
									 
									 
									
									
										
										 
											
												第106巻 第1号/平成14年1月1日 
													Vol.106, No.1, January 2002 
													 
													
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											| 【原著】 | 
										 
										
											| ■題名 | 
										 
										
											MRI FLAIR法における脳室周囲低信号域の臨床的意義 
												―第1報 新生児期のMRI所見とその後の画像変化 | 
										 
										
											| ■著者 | 
										 
										
											長野県立こども病院新生児科1),同 神経科2),同 放射線科3) 
												
													
														| 岩田 欧介1) | 
														門脇 幸子1) | 
														田村 正徳1) | 
														広間 武彦1) | 
													 
													
														| 中田 節子1) | 
														五石 圭司1) | 
														植田 育也1) | 
														中村 友彦1) | 
													 
													
														| 平林 伸一2) | 
														笛木  昇2) | 
														近藤 良明3) | 
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											| ■キーワード | 
										 
										
											| 新生児,MRI,FLAIR法,脳質周囲白質軟化症,periventricular high intensities | 
										 
										
											| ■要旨 | 
										 
										
											|  われわれは,MRI FLAIR法(fluid attenuated inversion recovery)でハイリスク新生児に特異的に認められる脳室周囲白質の異常所見の意義を検討するため,当科にてMRIを撮影した280名の新生児について追跡調査を試みた.この結果,修正月齢2カ月未満(前期)では62%に異常低信号域を認めたが,同2〜8カ月(中期)には3%,同8〜18カ月(後期)には皆無となった.代わって中期の18%,後期の89%に同部位の異常高信号域を認め,また,前期の低信号域と後期の高信号域の強さの間には,強い正の相関関係が認められた.さらに,後期のFLAIR法で認めた病変とT2強調画像の白質軟化所見との間にも強い相関関係が存在した.以上から,FLAIR法によって新生児期に有意な白質病変を診断し,early interventionが必要な真のハイリスク児の抽出が可能となることが示唆された. | 
										 
									 
									
										 
										
  
									
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												| 【原著】 | 
											 
											
												| ■題名 | 
											 
											
												MRI FLAIR法における脳室周囲低信号域の臨床的意義 
													―第2報 周生期の検査データと新生児期のMRI所見の対応 | 
											 
											
												| ■著者 | 
											 
											
												長野県立こども病院新生児科1),同 神経科2),同 放射線科3), 
													鳥取大学医学部小児科4) 
													
														
															| 門脇 幸子1)4) | 
															岩田 欧介1) | 
															田村 正徳1) | 
															広間 武彦1) | 
														 
														
															| 中田 節子1) | 
															五石 圭司1) | 
															植田 育也1) | 
															中村 友彦1) | 
														 
														
															| 平林 伸一2) | 
															笛木  昇2) | 
															近藤 良明3) | 
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												| ■キーワード | 
											 
											
												| 新生児,MRI,FLAIR法,低酸素性虚血性脳症,脳室周囲白質軟化症 | 
											 
											
												| ■要旨 | 
											 
											
												|  生後から当科入院治療し,修正2カ月未満にMRI FLAIR法(fluid attenuated inversion recovery)を施行した329例において,脳室周囲白質の異常所見について検討した.異常検出率は,従来のT1,T2強調画像に比較し,FLAIR法で有意に高率であり,早期産・極低出生体重児,重症仮死・高度呼吸障害児に多く認められた.FLAIR法画像上の重症度と相関する急性期の臨床所見は見出せなかったが,修正12カ月で独自の簡易発達評価を行った222例と,修正3歳で新版K式行動発達評価を行った29例で,FLAIR法画像上の重症度と発達段階との間に有意に相関を認めた.以上から,急性期の検査データで神経学的後遺症の把握が困難な児において,新生児期FLAIR法の異常は,境界領域のハイリスク児に対するearly interventionの判断に,極めて有用な指標となることが示唆された. | 
											 
										 
										 
										
  
									
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												| 【原著】 | 
											 
											
												| ■題名 | 
											 
											
												| 小児伝染性膿痂疹の臨床的,細菌学的検討 | 
											 
											
												| ■著者 | 
											 
											
												東北労災病院小児料 
													
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												| ■キーワード | 
											 
											
												| 伝染性膿痂疹,MRSA,薬剤感受性 | 
											 
											
												| ■要旨 | 
											 
											
												|  2000年6月〜9月の4カ月間に東北労災病院小児科および皮膚科を受診した伝染性膿痂疹の症例53例について,患者の養育背景,投薬および治療経過,基礎疾患および合併症,分離菌株の薬剤感受性成績について検討した.53例中27例より細菌培養を行い,MSSA(Methicillin sensitive Staphylococcus aureus)12株,MRSA(Methicillin resistant Staphylococcus aureus)13株,その他2株が分離された.MRSAは3歳以下の児,3歳以下で保育園に通園している児において高率に分離された.薬剤感受性についてはMSSAにおいてはセフェム系の抗菌剤は感受性を有したものの,ゲンタマイシンに対しては12例中8例(66.6%)が耐性を示した.MRSAに対し,セフェム系抗菌剤は高度耐性をしめし(GM),感受性を有しているものは内服薬ではミノサイクリン(MINO)92.3%,ホスホマイシン(FOM)84.6%,トリメトプリム¥外字(9250)スルファメトキサゾール(ST)100%のみであった.GMは92.3%で耐性を示していた. | 
											 
										 
										 
										 
									
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											| 【原著】 | 
										 
										
											| ■題名 | 
										 
										
											アデノウイルス気道感染症の診断における 
												免疫クロマトグラフィー法を用いた診断キットの有用性 | 
										 
										
											| ■著者 | 
										 
										
											原小児科 
												原 三千丸 | 
										 
										
											| ■キーワード | 
										 
										
											| アデノウイルス,気道感染症,迅速診断,滲出性扁桃炎 | 
										 
										
											| ■要旨 | 
										 
										
											|  アデノウイルスによる気道感染症を疑われた小児298例を対象とし,咽頭拭い液を検体として,ウイルス分離と,免疫クロマトグラフィー法を原理としたキット(アデノチェック¥外字(8244))による迅速診断検査を行なった.検体採取は全例著者自身が行なった.アデノウイルスは103例(2型37株,3型32株)で分離され,乳幼児が91例(乳児5例)を占めた.病型は,滲出性扁桃炎78例,咽頭結膜熱11例,咽頭炎8例であった.103例中,アデノチェック陽性例は97例であり感度は94%であった.アデノウイルス分離陰性195例中,アデノチェックは21例で陽性を呈した.この21例に,アデノウイルス遺伝子検出のためにPCRを行なったところ,20例は陽性であり,1例のみがアデノチェック偽陽性と考えられ,特異度は99%であった. | 
										 
									 
									
										 
										
  
									
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											| 【原著】 | 
										 
										
											| ■題名 | 
										 
										
											| 成長ホルモン療法を行った軟骨無形成症患児の耐糖能とbody mass index | 
										 
										
											| ■著者 | 
										 
										
											岡山大学小児科 
												宮澤 真理 | 
										 
										
											| ■キーワード | 
										 
										
											| 軟骨無形成症,成長ホルモン療法,耐糖能異常,body mass index,肥満 | 
										 
										
											| ■要旨 | 
										 
										
											 目的:軟骨無形成症(以下ACH)患児に成長ホルモン(以下GH)療法が行われている.ACH患児は一見肥満に見えるが本疾患の肥満の基準はまだない.更にGH療法中に耐糖能異常が生じることが他の疾患で報告されている.本疾患における肥満の基準,耐糖能異常の危険因子を明らかにする必要がある.そこで,GH療法中の耐糖能とbody mass index(以下BMI)の関係を検討した. 
												 方法:4年以上のGH療法を行ったACH患児31名を対象とし,GH療法開始後2年毎に経口糖負荷試験(以下OGTT)を行った. 
												 結果:6名がOGTTで境界型を示した.単変量ロジスティック解析を行ったところ,耐糖能異常となる危険因子としてBMI≧23,GH開始時高年齢,治療中の二次性徴の発来が抽出された. 
												 結論:これらの危険因子をもつ症例では,GH療法を行ううえで特に留意する必要があると考えられた. | 
										 
									 
									
										 
										
  
									
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											| 【原著】 | 
										 
										
											| ■題名 | 
										 
										
											| テレビアニメ「ポケットモンスター」視聴中に多発した,けいれん発作などの健康被害に関するアンケート調査報告―第2報 | 
										 
										
											| ■著者 | 
										 
										
											東京女子医科大学小児科1),小児神経学研究所2) 
												
													
														| 舟塚  真1) | 
														藤田 倫成1) | 
														大澤真木子1) | 
													 
													
														| 石井のぞみ1) | 
														福山 幸夫2) | 
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											| ■キーワード | 
										 
										
											| ポケットモンスター,光感受性けいれん,患者発生率,視聴率,実態調査 | 
										 
										
											| ■要旨 | 
										 
										
											 背景:テレビアニメを視聴中に,急性神経症状を呈した患者が同時多発した. 
												 方法:関東地方全病院にアンケート調査を行い(回答率48%),患者325名を同定した.発生率計算上,母集団(総視聴者数)は同地方の総世帯数,世帯当たり人員,瞬間視聴率を基に2仮説―視聴者を世帯全員とする仮説A(最多)と,各世帯1名とする仮説B(最少)―を用いて算出した. 
												 結果:全患者の発生率は最低0.0044%,最高0.0120%,けいれん発作の発生率は最低0.0034%,最高0.0092%であった.年齢別では13歳で全患者0.0222%(発作群0.0198%)と最高であった. 
												 結論:成人の同番組視聴率は極めて低い事から,仮説Bによる最高発生率(全患者0.0120%,発作群0.0092%)の方が実際値に近いと思われた.文献上の光感受性けいれんの年間新規発生頻度(7〜19歳で0.0057%)に対し,今回の発生率(13歳で約4倍)は著しく高く,しかも同時多発した点で古今未曽有な現象と結論した. | 
										 
									 
									
										 
										
  
									
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											| 【原著】 | 
										 
										
											| ■題名 | 
										 
										
											| 極低出生体重児における臍帯後期結紮が貧血予防と輸血回避に及ぼす影響 | 
										 
										
											| ■著者 | 
										 
										
											土浦協同病院新生児集中治療科 
												
											 | 
										 
										
											| ■キーワード | 
										 
										
											| 極低出生体重児,未熟児貧血,後期結紮,エリスロポエチン製剤 | 
										 
										
											| ■要旨 | 
										 
										
											|  在胎週数29週未満の極低出生体重児における臍帯後期結紮(late clamping,以下L.C.)が,貧血予防と輸血回避に及ぼす影響を検討した.出生直後のヘモグロビン,ヘマトクリットおよび平均血圧はL.C.(−)群と比べてL.C.(+)群の方が有意に高値で,輸血率もL.C.(−)群の68%に対しL.C.(+)群では38%と有意に少なかった.Kaplan‐Meier法による累積輸血回避曲線でも,両者の間に有意差を認めた.在胎週数別にみると,L.C.は26〜28週の極低出生体重児の輸血回避に有効で,特に27週以降ではほぼ全例に輸血を回避できたが,23〜25週ではL.C.施行の有無に関わらずほぼ全例に輸血を必要とした.さらに多変量解析を行った結果,出生体重,壊死性腸炎,脳室内出血,Apgar 5分値とともに,L.C.非施行は輸血に対する独立したリスクファクターであった. | 
										 
									 
									
										 
										
  
									
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											| 【原著】 | 
										 
										
											| ■題名 | 
										 
										
											| バンコマイシン耐性腸球菌保菌者に対する同種骨髄移植の経験 | 
										 
										
											| ■著者 | 
										 
										
											岡山大学大学院医歯学総合研究科小児医科学 
												
													
														| 萬木  章 | 
														西内 律雄 | 
														江口 直宏 | 
														井上 拓也 | 
													 
													
														| 浦上 知子 | 
														冨山 佳江 | 
														宮村 能子 | 
														角  勇二 | 
													 
													
														| 小田  慈 | 
														清野 佳紀 | 
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											| ■キーワード | 
										 
										
											| 骨髄移植,バンコマイシン耐性腸球菌,van A遺伝子,class A バンコマイシン耐性腸球菌 | 
										 
										
											| ■要旨 | 
										 
										
											|  class Aバンコマイシン耐性腸球菌(vancomycin‐resistant enterococci:VRE)保菌者である白血病患児に非血縁者間同種骨髄移植を施行した.便と尿から繰り返しVREが分離されたが化学療法中には積極的なVRE除菌を試みなかった.感受性の認められたノルフロキサシンを骨髄移植時の腸管内殺菌に使用した結果,移植後2週目に全ての検体からVREが消失した.一方バンコマイシン感受性,キノロン薬低感受性腸球菌が移植後2日目に便から分離され,同菌への菌交代が誘導された.骨髄移植前後の期間でVREによる重症感染症は発症しなかった.VREの除菌にはノルフロキサシンが有効であったと考えられたが,新たな薬剤耐性菌出現の可能性も考慮しVRE感染症の発症リスクの最も高い移植後1〜2週目に合わせた短期間の除菌をおこなうことが重要であると考えられた. | 
										 
									 
									
										 
										
  
									
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											| 【原著】 | 
										 
										
											| ■題名 | 
										 
										
											| 低身長を呈したY染色体長腕部分欠失の一家系 | 
										 
										
											| ■著者 | 
										 
										
											緑風荘病院小児科1),杏林大学小児科2) 
												
													
														| 田中 紀子1)2) | 
														園田 絵里2) | 
														川戸 英彦1)2) | 
													 
												 
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											| ■キーワード | 
										 
										
											| Y染色体q12欠失(Yq12),従性男性低身長,異質染色質領域 | 
										 
										
											| ■要旨 | 
										 
										
											|  Y染色体q12領域(Yq12)の欠失に男性従性低身長を伴った一家系を経験した.発端者は5歳男児で,低身長以外は特に表現型に異常はなく,父親も同じ核型で低身長を呈していた.Yq12欠失があると考えられる直系男性においても低身長症を認めるものの,外表奇形はなく性腺機能にも異常はなかった.Y染色体は直系男性に代々継承され,変異することは極めて稀であり,この家系でも変異Y染色体が直系男性に継承されたため男性従性低身長が発症したものと推論された. | 
										 
									 
									
										 
										
  
									
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											| 【原著】 | 
										 
										
											| ■題名 | 
										 
										
											| 小児期インフルエンザ脳炎・脳症の2剖検例 | 
										 
										
											| ■著者 | 
										 
										
											市立札幌病院1),網走厚生病院2),千歳市立総合病院3), 
												市立旭川病院4),現 ながのこどもクリニック4) 
												
													
														| 富樫 武弘1) | 
														松薗 嘉裕2) | 
														武越 靖郎3) | 
														長野奈緒子4) | 
													 
												 
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											| ■キーワード | 
										 
										
											| インフルエンザ脳炎・脳症,血管内皮細胞,IL‐6,TNF‐α,血液脳関門 | 
										 
										
											| ■要旨 | 
										 
										
											|  インフルエンザ脳炎・脳症に罹患し,急速な経過で死亡した2例の剖検臓器を病理学的,ウイルス学的に検索した.得られた脊髄,延髄に共通して見られた病理学的所見は,血管原性浮腫,血管の硝子化,血漿蛋白の血管外への漏出,血管内線維素性血栓であった.このほか間質性肺炎,脾臓リンパ濾胞壊死,小腸陰窩壊死がみられた.ところが病理学的に著変の見られた脊髄,延髄にはウイルス,ウイルス抗原は存在しなかった.この事から中枢神経障害は,ウイルスが中枢神経で増殖した結果惹起された病変ではなく,全身の血管内皮細胞(vascular endothelial cells)が傷害され,その一分症として血液脳関門(blood brain barrier)が破壊されてこの疾患発症に至るものと推定した. | 
										 
									 
									
										 
										
  
									
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											| 【原著】 | 
										 
										
											| ■題名 | 
										 
										
											| 肝障害,腎不全合併の急性壊死性脳症患児への持続血液濾過透析療法 | 
										 
										
											| ■著者 | 
										 
										
											神奈川県立こども医療センター感染免疫科1),同病理科2) 
												
													
														| 池田 裕一1) | 
														赤城 邦彦1) | 
														高橋 英彦1) | 
													 
													
														| 奥山 伸彦1) | 
														鹿間 芳明1) | 
														田中 祐吉2) | 
													 
												 
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											| ■キーワード | 
										 
										
											| インフルエンザウイルス,急性壊死性脳症,持続血液濾過透析,肝虚血再灌流障害,急性尿細管壊死 | 
										 
										
											| ■要旨 | 
										 
										
											|  高度の肝機能障害,腎不全と凝固異常を伴い,B型インフルエンザ抗体価の上昇を認めた急性壊死性脳症9歳男児例にPMMA膜を用い持続血液濾過透析(CHDF)を施行した.画像上両側対称性の視床病変と小脳病変を認め,水口らの提唱する急性壊死性脳症に合致した.肝生検所見は肝小葉中心性壊死像を呈し,抗ICAM‐1抗体組織染色の所見は肝虚血再灌流障害にみられるものと同様であった.腎生検所見は急性尿細管壊死に合致する所見であった.CHDFを施行後,すみやかに肝機能障害と凝固異常は正常化し意識障害の改善もみられた.腎不全は計4回の透析施行後,離脱した.CHDFは小・中分子量物質の溶質の除去効率が優れ,末梢循環不全や低酸素血症に伴う局所組織での酸,塩基平衡を改善するとの報告がありインフルエンザ脳炎・脳症の治療法として今後検討する必要があると考えた. | 
										 
									 
									
										 
										
  
									
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											| 【原著】 | 
										 
										
											| ■題名 | 
										 
										
											| 口腔内外傷に続発した内頸動脈閉塞症の1歳女児例 | 
										 
										
											| ■著者 | 
										 
										
											五所川原市立西北中央病院小児科 
												
											 | 
										 
										
											| ■キーワード | 
										 
										
											| 口腔内外傷,内頸動脈閉塞症,脳梗塞,magnetic resonance imaging,magnetic resonance angiography | 
										 
										
											| ■要旨 | 
										 
										
											 口腔内外傷に続発する内頸動脈閉塞症は,1936年にCaldwellが初めて報告し,欧米では比較的広く認識されている.本邦でも報告例は散見されるが,一般に広く知られているとは言い難い.今回我々は,歯ブラシによる口腔内外傷に続発した内頸動脈閉塞症の1例を経験した.症例は,1歳0カ月の女児,歯ブラシをくわえたまま転倒し,口腔内を損傷,受傷後約44時間後に痙攣が出現した.MRAで,左内頸動脈は総頸動脈からの分岐部より直後のわずかな部分が描出されるのみであった.これまで確定診断には脳血管撮影が施行されていたが,MRAによる診断の報告は,本邦では自験例が初めてで,初期診断,経過観察に有用であった. 
												 乳幼児の口腔内外傷に対しては,来院時に明らかな神経学的症状がなくても,脳血管障害が起こりうることを配慮し診察していく必要がある. | 
										 
									 
									
										 
										
  
									
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											| 【原著】 | 
										 
										
											| ■題名 | 
										 
										
											| 紫外線高感受性を認めた遺伝性対側性色素異常症の1例 | 
										 
										
											| ■著者 | 
										 
										
											国立千葉病院小児科1),西岡クリニック2),千葉大学教育学部基礎医科学3), 
												千葉大学大学院医学研究院小児病態学4) 
												
													
														| 新井ひでえ1)4) | 
														西岡  正2) | 
														杉田 克生3) | 
														河野 陽一4) | 
													 
												 
											 | 
										 
										
											| ■キーワード | 
										 
										
											| 遺伝性対側性色素異常症,色素性乾皮症,紫外線感受性,遺伝性色素変性症 | 
										 
										
											| ■要旨 | 
										 
										
											 遺伝性対側性色素異常症は常染色体優性遺伝の色素異常症で,四肢遠位部に色素斑や色素脱出を左右対称性に認める.以前はその皮膚症状から,類似の色素斑を認めるDNA修復障害である色素性乾皮症の軽症例と考えられていたが,紫外線感受性は認めず,現在は別の疾患単位とされている. 
												 今回,常染色体優性遺伝形式をとり,手背や足背,顔面に多発性の色素斑や色素脱出を認める13歳男児を経験した.神経症状や発育障害など皮膚症状以外の症状は認めなかったが,正常対照と色素性乾皮症相補性A群のほぼ中間の紫外線感受性を示し,色素性乾皮症バリアントの遺伝子変異を認めなかった.本症例は遺伝形式や皮膚以外の臨床症状が色素性乾皮症とは異なり,紫外線感受性を有する遺伝性対側性色素異常症と診断した.本症例から遺伝性対側性色素異常症にも紫外線によるDNA修復機構の異常が示唆された. | 
										 
									 
									
										 
										 
										 
										 
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