| 
							
							
								
									
										
											  | 
											日本小児科学会雑誌 目次 | 
										 
									 
									 
									
									
									 
										
											第105巻 第1号/平成13年1月1日 
												Vol.105, No.1, January 2001 
												 
												
													バックナンバーはこちら 
											 | 
											  | 
										 
									 
									 
									
									
										
										 
									
								 | 
							
							
								| 
									
									
										  
										 
										 
								 | 
							
							
								
									
										
											| 【原著】 | 
										 
										
											| ■題名 | 
										 
										
											| 川崎病患者に対する最近8年間のガンマグロブン治療方式の変遷 | 
										 
										
											| ■著者 | 
										 
										
											自治医科大学保健科学講座公衆衛生学部門1),埼玉県立大学2) 
												
											 | 
										 
										
											| ■キーワード | 
										 
										
											| 川崎病,ガンマグロブリン | 
										 
										
											| ■要旨 | 
										 
										
											 目的:1983年に川崎病患者に対するガンマグロブリン(GG)治療がとりいれられてから現在までに投与方式が著しく変化した.その背景を明らかにすることを本研究の目的とした. 
												 方法:川崎病全国調査により最近8年間(1991〜98年)に報告された川崎病患者48176人について,GG治療率,投与方式の変遷を観察した. 
												 結果:1.GG治療を受けた者の割合は,1991年には78%であったが,1995年には86%まで増加し,その後83%まで減少した. 
												 2.投与総量が1,000mg/kgの者は 8 年間に53%から25%に半減したが,2,000mg/kgの者は19%から56%に増加した. 
												 3.1日投与量は200mg/kgの者が1/4に減少し,400mg/kgは1.4倍に増加した. 
												 4.投与開始日が発病後 3 日以内の割合は変化しなかったが,7日以内の割合はやや増加した. 
												 5.投与方式のうち,1991年に最もよく用いられた200mg/kg×5日は1/4に低下したのに対して,400mg/kg×5日の頻度は約 2 倍に増加した.また,2,000mg/kg×1日,1,000mg/kg×2日などの短期間の大量投与の者も増加した. 
												 6.GG治療を受けた者の割合は若年齢ほど高い傾向が見られ,GG投与総量1,000mg/kgの割合は高年齢ほど高く2,000mg/kgでは低年齢ほど高かった. 
												 意義:8年間の観察から,投与量の増量,投与期間の短期化,発病後1週以内の治療開始などの方向がみられ,川崎病患者に対するGG治療効果に関する内外の研究成果に基づく有効な治療が短期間に普及していることが確認された. | 
										 
									 
									
										 
										
  
									
								 | 
							
							
								
									
										
											| 【原著】 | 
										 
										
											| ■題名 | 
										 
										
											| 未熟児無呼吸に対する塩酸ドキサプラム少量投の臨床経験 | 
										 
										
											| ■著者 | 
										 
										
											東京女子医科大学母子総合医療センター新生児部門1),帝京大学医学部小児科学講座2) 
												
													
														| 宮本 聡美1)2) | 
														大石 昌也1)2) | 
														佐久間 泉1) | 
													 
													
														| 藤野  浩1) | 
														松永 雅道1) | 
														仁志田博司1) | 
													 
												 
											 | 
										 
										
											| ■キーワード | 
										 
										
											| 塩酸ドキサプラム,未熟児無呼吸,少量投与 | 
										 
										
											| ■要旨 | 
										 
										
											 現在,塩酸ドキサプラムは重篤な副作用が報告されたため,新生児,未熟児での使用は禁忌となっている.しかし,当センターでは少量投与であれば安全且つ有効に使用できると考えている.そこで今回,未熟児無呼吸に対して塩酸ドキサプラム少量投与を行った症例を後方視的に検討した. 
												 対象は1991年1月から1995年12月までに当センターNICUに入院した児のうち無呼吸発作に対して塩酸ドキサプラムを使用した97例である. 
												 結果は著効例515%,有効例299%,無効例186%であった.また,副作用が出現したのは1例のみであった. 
												 今回の検討より,塩酸ドキサプラムは0.2mg/kg/hで有効であり,増量を要する例でも0.5mg/kg/hを越えない方が望ましく,更に1mg/kg/hを越える場合には他の治療を考慮すべきであると考えられた.このように使用すれば塩酸ドキサプラムは安全且つ有効な薬物であり,未熟児無呼吸に対して使用し得るものであると結論された. | 
										 
									 
									
										 
										
  
									
								 | 
							
							
								
									
										
											| 【原著】 | 
										 
										
											| ■題名 | 
										 
										
											| 乳児肥厚性幽門狭窄症における硫酸アトロピン経口療法の臨床的検討 | 
										 
										
											| ■著者 | 
										 
										
											岡田小児科クリニック1),東京女子医科大学第二病院小児科2),東京女子医科大学小児科3) 
												
													
														| 岡田 和子1) | 
														横山 結子2) | 
														本間  哲2) | 
													 
													
														| 都 もと子2) | 
														杉原 茂孝2) | 
														大澤真木子3) | 
													 
												 
											 | 
										 
										
											| ■キーワード | 
										 
										
											| 乳児肥厚性幽門狭窄症,硫酸アトロピン | 
										 
										
											| ■要旨 | 
										 
										
											|  肥厚性幽門狭窄症(IHPS)における硫酸アトロピン(硫アト)経口療法を,治療プロトコールを作成して,18例(日齢37±15日)について行い検討した.硫アトの初回投与量は005mgkgday(分8)で,症状をみながら漸増(最大量01mgkgday)した.投与方法は,毎回哺乳前20分に飲ませ,哺乳後1時間は,上体挙上右側臥位にする.腹部膨満の強い症例はNG-tubeを留置し,適時胃内減圧を行う.その結果,硫アト療法が有効であったものは,16例(静注療法一時併用の1例を含む)で有効率89%であった.その有効投与量は,平均007±01mgkgday,効果発現までは平均2±1日,入院期間11±5日であった.硫アト投与期間は平均48±19カ月であったが,副作用は全例に認められなかった.入院時の臨床症状や超音波検査所見における重症度は,硫アト療法の有効性や投与量に全く関連しなかった. | 
										 
									 
									
										 
										
  
										
											
												| 【原著】 | 
											 
											
												| ■題名 | 
											 
											
												| 下垂体機能低下を合併した無痛性甲状腺炎の14歳女児例 | 
											 
											
												| ■著者 | 
											 
											
												浜松医科大学小児科 
													
												 | 
											 
											
												| ■キーワード | 
											 
											
												| 無痛性甲状腺炎,甲状腺機能亢進症,自己免疫性下垂体炎,ACTH分泌不全,慢性甲状腺炎 | 
											 
											
												| ■要旨 | 
											 
											
												|  無痛性甲状腺炎に,自己免疫性下垂体炎によると考えられる下垂体機能低下および下垂体腫瘤を合併した14歳女児例を報告する.主訴は全身倦怠感と動悸.びまん性の甲状腺腫を認め,TSHは測定感度以下,FT3およびFT3は高値.抗サイログロブリン抗体,抗ペルオキシダーゼ抗体は強陽性,TSH受容体抗体(TRAb)は陰性.甲状腺エコーでは血流の増加なく,I123甲状腺シンチグラムでは著明なヨードの取り込み低下を認め,無痛性甲状腺炎と診断.甲状腺中毒症状を示したのと同時期より出現した全身倦怠感は継続し,インスリン低血糖刺激に対するACTHとコルチゾールの反応性の低下を認めたため,自己免疫性下垂体炎の合併による下垂体機能の低下が考えられた.MRIにて下垂体腫瘤を認めた.自己免疫性下垂体炎は妊娠ないし出産後に主として見られ,時に下垂体腫瘤を示すが,本例のごとく小児期にも発症する可能性が示された. | 
											 
										 
										
										 
										
  
									
								 | 
							
							
								
									
										
											| 【原著】 | 
										 
										
											| ■題名 | 
										 
										
											| Vidarabineが効果を示した治療抵抗性Epstein-Barrウイルス関連血球食症候群 | 
										 
										
											| ■著者 | 
										 
										
											岡崎市民病院小児科1),名古屋大学小児科2),名古屋大学保健学科3) 
												
													
														| 祖父江文子1) | 
														木下 知子1) | 
														西崎  彰1) | 
														長井 典子1) | 
													 
													
														| 早川 文雄1) | 
														小倉 良介1) | 
														矢澤  武1) | 
														森田  誠2) | 
													 
													
														| 木村  宏2) | 
														森島 恒雄3) | 
														 | 
														 | 
													 
												 
											 | 
										 
										
											| ■キーワード | 
										 
										
											| Epstein-Barr virus,血球貪食症候群,Vidarabine,real-time polymerase chain reaction | 
										 
										
											| ■要旨 | 
										 
										
											|  発熱,リンパ節腫脹,肝腫で発症した,Epstein-Barrvirus(EBV)に伴う血球食症候群(EBV-AHS)の3歳女児例を経験した.骨髄穿刺で成熟した組織球による食像を認め,real-timepolymerasechainreaction法とinsituhybridization法によって,血清,末梢血単核球,骨髄単核球中にEBVDNAが検出された.アシクロビル,ガンマグロブリン製剤,副腎皮質ステロイド薬,エトポシド(VP16)による治療を行ったが再発し,vidarabine(Ara-A)を使用したところ,臨床症状は改善し,それに伴い,EBVDNA量の減少を認めた.治療抵抗性のEBV-AHSに対してAra-Aは考慮すべき治療の一つと考えられた. | 
										 
									 
									
										 
										
  
									
								 | 
							
							
								
									
										
											| 【原著】 | 
										 
										
											| ■題名 | 
										 
										
											| 5年前の急性虫垂炎が発症原因と考えられた後腹膜膿の1例 | 
										 
										
											| ■著者 | 
										 
										
											日本大学医学部付属練馬光が丘病院小児科 
												
													
														| 和田 美夏 | 
														清水 達也 | 
														山森 裕之 | 
														渡辺 健一 | 
													 
													
														| 渕上佐智子 | 
														橋本 光司 | 
														渕上 達夫 | 
														稲毛 康司 | 
													 
													
														| 高橋  滋 | 
														原田 研介 | 
														 | 
														 | 
													 
												 
											 | 
										 
										
											| ■キーワード | 
										 
										
											| 後腹膜膿瘍,嫌気性菌,虫垂炎 | 
										 
										
											| ■要旨 | 
										 
										
											|  症例は14歳の男子.10歳時,汎発性腹膜炎を合併した虫垂炎の既往がある.発熱,側腹部痛を主訴とし,エコー・CT・MRIで後腹膜膿瘍と診断した.CEZ,CBT/CPZ,CMZの投与では膿瘍が縮小せず,エコー下ドレナージを施行し,軽快した.ドレーン排膿液から10歳時の腹膜炎の際に検出された嫌気性菌のBacteroidesが検出され,わずかに残った菌が今回の後腹膜膿瘍の原因になったと推測された.基礎疾患のない小児の後腹膜膿瘍は稀であるが,汎発性腹膜炎を合併した虫垂炎手術のような汚染手術の既往があり,原因不明の発熱,腹痛が続く児では,CT・MRI・エコーなどの画像による検索が診断・治療に非常に有用であると考えた. | 
										 
									 
								 | 
							
							
								
									 
									
										
										
										 
										 
									
									バックナンバーに戻る
									 
  |