小児科学会からのお知らせ

B型肝炎ワクチン供給不足が見込まれる現状での医療施設における対応 -日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会からのお願い-

 2015年10月に、一般財団法人化学及血清療法研究所(化血研)が製造販売するワクチン製剤等の承認書と製造実態の齟齬等について、厚生労働省へ報告が適切になされなかったことが明らかとなり、現在もB型肝炎ワクチンの出荷自粛要請が継続されています。
 国内では、他社のB型肝炎ワクチンが市販されておりますが、その供給には限界があり、来年早々には不足する見通しです。

このような状況において、優先的に接種されなくてはいけないのが、

① 母子感染予防のためのワクチン接種

② HBs抗原陽性の血液による針刺し等の汚染事故後のB型肝炎発症予防のためのワクチン接種

③ 家族内にB型肝炎キャリアの方がいる場合の乳児へのワクチン接種

です。各医療施設においては、これらの対象へのB型肝炎ワクチン接種に不足が生じないよう、必要最小限を確保しておく必要があります。

 一方で、日本小児科学会は、学会の推奨するスケジュールにおいてB型肝炎ワクチンのユニバーサル接種を推奨していますが、ワクチンが安定供給されるようになるまでの間、接種の推奨を控える必要があります。各医療施設においては、ワクチンが安定的に供給されるようになるまで、以下の対応をお願いいたします。(なお、医師が特に緊急で接種が必要と認めた場合は、この限りではありません。)

上記①あるいは②あるいは③に該当する人を除き、

1)B型肝炎ワクチンを接種していない児
 ワクチンが安定供給されるまで、接種を見送ります。
 安定供給された場合、今までの推奨スケジュールと同様、年齢に関わらず、その時点で1回目を接種、2回目を4週あけて接種、そして3回目を1回目の接種から20-24週あけて接種します。

2)B型肝炎ワクチンを1回接種した児
 ワクチンが安定供給されるまで、接種を見送ります。
 安定供給された場合、2回目を1回目の接種から4週以上あいていることを確認して接種、そして3回目を2回目の接種から16-20週以上あいていることを確認して接種します。

3)B型肝炎ワクチンを2回接種した児
 ワクチンが安定供給されるまで、接種を見送ります。
 安定供給された場合、3回目を1回目の接種から20-24週、2回目の接種から16-20週あけて接種します。それ以上の間隔があいてしまった場合でも、3回目を確実に接種することが重要です。

 

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