事例 | 年齢:3歳 6 か月 性別:男児 体重:16kg 身長:95cm | |
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傷害の種類 | 裂創 | |
原因対象物 | エスカレーター | |
臨床診断名 | 左前腕裂創 | |
直接医療費 | 396,510 円 | |
発生状況 | 発生場所 | エスカレーター(図1,図2) |
周囲の人・状況 | 父親と二人で下りのエスカレーターに乗っていた.特に混雑はしていなかった.児の服装は半袖,半ズボンであった. | |
発生年月日・時刻 | 2017 年8 月20 日 午後2 時30 分頃 | |
発生時の詳しい 様子と経緯 |
父親が児の右手をつないで横に並び,下りのエスカレーターに乗っていた.エスカレーターの中央あたりを通過した際に,児が口にくわえていたお菓子の空袋を落としてしまい,しゃがんで左手で袋を拾おうとした.その際に児の左前腕の外側が,エスカレーターのステップとスカートガードの間(図2)に挟まれ受傷した.受傷の瞬間に父親がとっさに児の手をすくい上げたところ,児の左手背から前腕尺側にかけて13cmほど皮膚に裂創を生じ出血していた.通行人がタオルで児の創部及び上腕を圧迫止血し,救急要請した.父同伴のもと,医療機関へ搬送された. | |
治療経過と予後 | 当院到着時,意識清明であり,バイタルサインは脈拍117 回/分,血圧128/95mmHgであった.創部は止血しており,循環は安定していた.左手背から前腕外側に長径13 cm,筋層に達する深さ1.5cmの裂創を認めた(図3).動脈・腱損傷は認めず,骨折の合併もなかった. 破傷風トキソイド・抗菌薬の投与後,手術室において全身麻酔下で創部洗浄・縫合処置を行い,翌日に退院となった.受傷後6か月時点で整形外科外来通院中であるが,創部感染や縫合不全を認めず,一部ケロイドの残存を認めたが,神経及び運動機能障害などの後遺症なく経過している.(図4). | |
Full Text | No.077 エスカレーターに巻き込まれて発生した前腕部外傷 | |
類似報告 | No.77 類似事例1 |
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