事例 | 年齢:14歳 5か月 性別:男 体重:56kg 身長:156cm | |
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傷害の種類 | 転倒による腹部打撲 | |
原因対象物 | 整地用グラウンドレーキ(トンボ) | |
臨床診断名 | 外傷性十二指腸破裂,右撓尺骨遠位端骨折 | |
直接医療費 | 1,657,490 円 | |
発生状況 | 発生場所 | 学校のグラウンド |
周囲の人・状況 | 野球部の練習後,整地作業をしていた.周囲には他の野球部員がいた. | |
発生年月日・時刻 | 2013 年2 月26 日 午後5 時30 分頃 | |
発生時の詳しい 様子と経緯 |
受診前日の午後5 時30 分頃,野球の練習後に前向きにグラウンドレーキを構えて走ってグ ラウンドを整備していたところ,石につまずき前方へ転倒し,グラウンドレーキの柄で臍部 右側を強打するとともに右手も巻き込まれて右手首も受傷した.右手首の痛みが強く,整形 外科医院を受診.右橈骨尺骨遠位端骨折の診断で整復固定処置を受けた.その時は手の痛み が強く,腹痛の訴えはなかった.整形外科医院から帰宅後,量は少なかったが夕食は摂取し た.その後腹痛を訴え出したもののしばらく様子をみていたが,午前0 時過ぎに嘔吐し,腹 痛も増強してきたため,救急車で来院した. | |
治療経過と予後 | 初診時,腹部全体で筋性防御を伴わない圧痛を認めた.腹痛は臍部右側に最強点を有してい た.腹部CT 検査で十二指腸水平脚の腸管壁浮腫を,その尾側に消化管外のエアを認めたた め,十二指腸穿孔が疑われて緊急開腹手術となった.術中所見では水平脚背側に5mm の穿 孔を認め,周囲の十二指腸壁は肥厚していた.穿孔部位をトリミング・縫合して手術を終了 した.術後は絶飲食・点滴管理とし,術後5 日目から水分摂取を,術後6 日目から食事を再 開した.その後の経過は良好で,術後14 日目に右橈骨尺骨遠位端骨折部のギプスをカット し,退院・外来経過観察となった.腹部については外来で術後半年間経過観察を受け,特に 問題がないことを確認後,経過観察終了となった. | |
Full Text | No.072 グラウンドで発生した腹部外傷(事例2) 整地用グラウンドレーキ(トンボ)による内臓損傷 | |
類似報告 | No.72 類似事例1 |
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