事例 | 年齢:0 歳 9 か月 性別:男 体重:8.7kg 身長:74.0cm | |
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傷害の種類 | 窒息 | |
原因対象物 | 玩具に付属するおしゃぶり 大きさ1.0cm×1.2cm | |
臨床診断名 | 心肺停止・低酸素脳症 | |
直接医療費 | 6,610,350 円 | |
発生状況 | 発生場所 | 自宅のダイニング |
周囲の人・状況 | 曾祖母,母(キッチン),父,姉(5 歳)がそばにいた | |
発生年月日・時刻 | 2015 年8 月9 日 午前8 時30 分 | |
発生時の詳しい 様子と経緯 |
午前8 時30 分に,家族が患児へ離乳食(パン粥)一口とお茶を飲ませたところ,患児が突然苦しそうにしだした.徐々に顔色が悪くなり,間もなく意識を消失した.父が児を逆さ まにしたり,胸部突き上げ法や人工呼吸を行ったが,救急隊到着時(窒息から21 分)には 心肺停止状態であった.直ちに救急隊により胸骨圧迫が開始された.口腔内を観察したと ころ人形に付属する玩具(1.0cm×1.2cm 大のおしゃぶり)(図1)が見つかった.異物はその場で取り除かれた. | |
治療経過と予後 | 来院後,胸骨圧迫を継続し,気管挿管,アドレナリン投与を行った.9 時26 分(窒息か ら56 分後)に心拍は再開したが,瞳孔は散大し,対光反射も認められなかった.頭部単純CT写真では大脳はびまん性に低吸収域を呈し,低酸素脳症が考えられた.入院1 週間後の脳波は平坦で聴性脳幹反応は消失していた.入院後ICU での全身管理を継続したが,低酸 素脳症のため入院87 日目に死亡した. 発症前日に家族が当該玩具を片付けていた.しかし,玩具に付属するおしゃぶりは容易に人形から外れる構造であり,気付かれずに床に落ちていたものを患児が食事前に口に入れ, 食事の際に窒息に至ったと考えられた.なお本玩具は3 歳児以上を対象とされている製品であり,姉の為に購入されたものであった. | |
Full Text | No.061 玩具のパーツの誤嚥による窒息 | |
類似報告 | No.61 類似事例 |
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