事例 | 年齢:11歳 性別:女 | |
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傷害の種類 | 打撲傷 | |
原因対象物 | 自転車のハンドル | |
臨床診断名 | 肝損傷 | |
直接医療費 | ||
発生状況 | 発生場所 | 道路の歩道上 |
周囲の人・状況 | 自転車に乗って走行中 | |
発生年月日・時刻 | 春休み中、午前8時50分頃 | |
発生時の詳しい 様子と経緯 |
塾へ行くために自転車(いわゆるママチャリ)で歩道を中速度(約15Km/時)で走っていた.ハンドル(通常型)に掛けた傘が前輪スポークに引っかかって転倒し、左前腕を打撲するとともに、右腹部をハンドルの先端で強打した.3時間後、腹痛が持続するため某病院を受診し、腹部CTにて肝損傷を指摘されて当院救命救急センターに搬送された. | |
治療経過と予後 | 入院時現症は、脈拍数82/分、血圧132/76mmHg、呼吸数20/分、SpO298%、体温37.0℃、意識清明(JCS 0、GCS 15)、胸腹部エコーによる出血スクリーニング(FAST)では異常がなかったが、腹部造影CTにて中心性破裂型(Ib)の出血を伴う肝損傷(図1)を認めた.造影剤の漏出は無く、貧血の進行やショックバイタルも認められなかったため、輸血やTAE(経動脈性塞栓術)、開腹止血は行わなかった.第2病日にも貧血の進行は認められなかったため保存的療法のみで19日目に軽快退院した(図2). | |
Full Text | No.006 自転車のハンドルによる肝損傷 |
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