事例 | 年齢:3歳 6か月 性別:女 体重:13.1kg 身長:95cm | |
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傷害の種類 | 大腿骨骨折 | |
原因対象物 | 公園に設置された船の形状をした複合型遊具 | |
臨床診断名 | 右大腿骨骨幹部骨折、顎部切創(5針縫合) | |
直接医療費 | 2,203370円(食事療養費負担や室料(差額ベッド代)などを足した合計は、2,773,740円) | |
発生状況 | 発生場所 | 公園の遊具 |
周囲の人・状況 | 公園に設置された図1に示すような船の形をした複合型遊具で、3歳6か月の女児が父親と一緒に遊んでいたところ、丸太とチェーンからなる吊り橋(図2)の隙間から転落し、垂直方向に地面まで落下し、大腿骨骨折、顎部切創、右前歯脱臼に至った. | |
発生年月日・時刻 | 西暦2008年7月12日 午後3時40分頃 | |
発生時の詳しい 様子と経緯 |
図3に示すように、丸太製の吊り橋の写真の右端から1本目と2本目の間から転落した.丸太の隙間は変化するようになっており、通常時75mm、最大時250mmであった.船のデッキ部分には穴が開いており、女児が落下した際に、その穴を通過し、図4に示すように、デッキの下(船中)にある地面まで直接落下した.落下時の姿勢は、ほぼ垂直に立った状態だった.衝突した地面の材質は土であった. | |
治療経過と予後 | 2008年7月12日、受傷したあと、レントゲン検査にて大腿骨骨折を確認した(図5).また、全身CTを施行し、頭部や内臓の損傷のスクリーニングを行ったが、損傷は確認されなかった.骨折の治療は直達牽引とギプス固定で行われた.大腿骨の遠位部に細い針金状の金属を経皮的に貫通させ、ベッド上で滑車等を利用し、重りで引っ張り固定した.8月5日にギプスで固定し、8月17日にギプスを取り外した.この段階では荷重は禁止で、8月31日に退院した.入院治療は51日間に及び、9月11日に全荷重の許可がおりた.その後、約3年が経過した2011年8月23日に検査をしたところ、骨折側が健側に比して成長が早くなり、長くなってしまう過成長と呼ばれる現象が確認された.レントゲンでの検査では、骨折側の大腿骨が1.2cm長くなっていた. | |
Full Text | No.029 遊具からの転落による大腿骨骨折 |
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