事例 | 年齢:0歳 11か月 性別:女 体重:8.5kg 身長:69.5cm | |
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傷害の種類 | 熱傷 | |
原因対象物 | 電気ケトル | |
臨床診断名 | 右顔面、両側上肢(おもに遠位部)、前胸部にII―III度の熱傷(範囲:体表の約25%) | |
直接医療費 | 5,296,330円(そのうち入院費用は5,013,340円)(2011年10月まで) | |
発生状況 | 発生場所 | 自宅の居間 |
周囲の人・状況 | 両親および5歳になる兄と暮らしている.本児の発達段階は、つたい歩きができるが、いまだハイハイで移動することが多い.傷害発生時、自宅には母親と患児のみがいた. | |
発生年月日・時刻 | 2010年10月17日 午後10時30分頃 | |
発生時の詳しい 様子と経緯 |
母親は常時、電気ケトルを床の上において使用していた.母親は居間にいなかったため、具体的な発生状況は不明である.しかし激しい泣き声に気付いて居間に戻ったところ、患児のすぐそばに電気ケトルが横たわっており、熱湯の溜まりの中に患児が腹這いになっていた. | |
治療経過と予後 | すぐに浴室に連れて行き、シャワーで冷水を患部にかけ、約5分後に救急車を要請した.近隣に収容施設が見つからず、当院には発症後1時間ほど経過してから搬送となった.搬入時のバイタルサインには異常は認められなかったが、広範囲の熱傷であるため静脈路を確保し生理食塩液の急速輸注をおこなった.熱傷部位は温生食で洗浄、緊満した水疱は破蓋した.フラジオマイシン軟膏を塗布し、湿潤環境を保つことができるよう被覆した.(写真1、2)全身管理を目的に、受傷当日は集中治療室に入室した.特に合併症はなく4日後には一般病床へ転棟となった.その後、病棟で熱傷の処置が続けられ、受傷2か月後には退院となった.なお受傷の1か月後には特に深達度の深かった左手掌への皮膚移植、また半年後には左手掌の瘢痕拘縮に対する処置をおこなった.現在は受傷から1年が経過したが、左手の瘢痕による機能障害に対しリハビリを継続中である.今後さらに外科的処置が必要になると想定されている. | |
Full Text | No.028 電気ケトルによる顔面・胸部・上肢熱傷(事例1) | |
Follow-up報告 | No.28 類似事例1・2
No.28 類似事例3 No.28 類似事例4 |
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類似報告 | No.28 類似事例5
No.28 類似事例6 |
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