Injury Alert(傷害速報)

Injury Alert(傷害速報)

傷害の種類
原因対象物
臨床診断名
検索TOPへ戻る

No.025 自転車搬送用コンベアによる挫滅創

事例 年齢:4歳 9か月 性別:男 体重:18kg 身長:105cm
傷害の種類 挫滅創
原因対象物 ベルトコンベア式自転車昇降機
臨床診断名 右手背挫滅創
直接医療費 43,710円(受診回数6回)
発生状況 発生場所 駅前の店舗前に設置されている地下自転車駐輪場
周囲の人・状況 自転車を地下から地上へ移動させる際、その介助となるようベルトコンベアが設置されている.ベルトコンベアは人が近づくと稼働するようになっており、非常時は緊急停止ボタンを押すことにより稼働を止めることができる.(写真1上段参照)
発生年月日・時刻 2011年8月9日 午前11時45分頃
発生時の詳しい
様子と経緯
患児は母親と妹と一緒に駅前の店舗に買物に来ていた.母親は妹を自転車の前部座席に座らせ、買物をした荷物と一緒にこのベルトコンベアに自転車を載せ地上へ上がろうとしていた.患児を自転車に乗せると重みで上がれなくなるため、いつものように患児はひとりで歩いて先に地上へ上がらせていた.上がる途中、母親は上の方で患児の激しい泣き声を聞き、ただならぬ事が起こったことを察知した.実際に何が起こったか不明であったが、周囲にいた人にお願いして非常停止ボタンを押してもらった.そのままでは地上までのぼれないため、母親は一度自転車と妹、そして荷物を地下まで降ろし、周囲にいた人に妹を見てもらうようお願いして地上へ上がったところ、地上でベルトコンベア脇に患児が横たわっており、右手背の開放創と出血がみられた.すぐに救急要請をした.母親は実際の事故の状況を確認できていなかったため、事故の現場検証をした所轄の警察署に確認をした.目撃者の情報によると、患児はベルトコンベア脇で座っており、右手をベルトの上についてしまった.順方向に進むベルトの方向に右手がひっぱられ、ベルトとベルトの吸い込まれ口の鉄板の間に引き込まれてしまった.警察の検証によると、ベルトと鉄板の間には7mmの隙間が存在していたとのことである(写真1下段).実際に手が引き込まれた後もベルトコンベアは稼働を続け、緊急停止ボタンが押されるまで手は引き込まれ続けていた.停止ボタンが押されてから周囲にいた人たちで協力して患児の手を引き出した.
治療経過と予後 事故発生から6分後に救急要請が確知されている.直近で受入れ可能施設が見つからず、多少時間はかかったが事故発生から45分後に当センター救急室に搬入となった.搬入時、手背側第3~5指MP関節部に開放創を認め、手全体の著しい腫脹および挫滅創を複数認めた.開放創は伸筋腱の露出を伴うものの骨や関節への波及は認めなかった.また末梢の循環は保たれていた.局所麻酔を施行のうえ創部を洗浄しナイロン糸により縫合をおこなった(写真2).創部の安定をはかるためMP関節部の固定を創保護と併せておこなった.入院とはせず、外来通院とした.その後、手の著しい腫脹を認めたが、コンパートメント症候群をきたすものではなく、受傷10日目に抜糸した.特に機能障害はみられず、8月31日(第23病日)に診療終了となった.
Full Text No.025 自転車搬送用コンベアによる挫滅創

Acrobat Reader ダウンロード PDFをご覧になる際は、Adobe® Reader™をご利用ください。

ページの先頭へ戻る