Injury Alert(傷害速報)

 

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No.015 自転車のサドルによる外陰部外傷

事例 年齢:5歳 9か月 性別:女 身長:106cm
傷害の種類 外陰部裂傷
原因対象物 自転車のサドル
臨床診断名 外陰部の裂傷、皮下出血
直接医療費
発生状況 発生場所 自宅外
周囲の人・状況 母親、妹と3人で、それぞれ自転車に乗って外出
発生年月日・時刻 9月17日
発生時の詳しい
様子と経緯
母と4歳の妹と本児の3人で、自転車に乗って16時から1時間程度の外出をした.先頭に補助輪なしの自転車の本児、補助輪付き自転車の妹が続き、後ろから母が続いた.妹は補助輪付きの自転車を使用していて遅いので、途中何度も停車して妹を待つことはあったが、段差に落ちたり何かに衝突したという明確な受傷機転はなかった.帰宅時は普段通り元気にしていたが、帰宅直後のトイレでの排尿後に股間が少し痛いと本人が訴えた.すぐに入浴させて自分で洗わせ、入浴後に母が局所を確認したところ、外見上は大きな変化はみられず、わずかに出血を認めるのみであった.本人が「痛い」と嫌がるため、その時点では出血点を確認できなかった.その後、児はそのままソファで横になって寝てしまい、22時ころに家族が寝室に運ぼうとしたところ着衣が多量の血液で濡れていることに気づき、驚いて救急車で来院した.その時点では、局所は紫色に腫脹して痛みの訴えも増強していた.自転車は量販店で購入した外国製のものであった.本児が乗ると、足が地面に少ししかつかないので、危ないかもしれないと母親は感じていた.以前も、自転車に乗った後に股間が痛いと訴えることがあった.サドル(写真)は周囲が硬質のプラスチックで覆われ、サドルの前方側面は座面クッションより少し隆起していた.サドルを一番下げた状態で、外陰部が当たる部分の地面からの高さは55cmであった.前傾姿勢で騎乗したとき、外陰部に強い局所的な圧迫が起こりうる構造であった.
治療経過と予後 外陰部(右の小陰唇と大陰唇のあいだ)に2cmの裂傷があり、動脈性の出血が認められた.入院して、全身麻酔下で縫合処置を施行した.ICUへの入室2日を含め計3日間の入院管理と外来での経過観察をおこなった.後遺障害は認められなかった.
Full Text No.015 自転車のサドルによる外陰部外傷

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