 |
日本小児科学会雑誌 目次 |
第105巻 第11号/平成13年11月1日
Vol.105, No.11, November 2001
バックナンバーはこちら
|
 |
|
第104回日本小児科学会学術集会 |
教育公演 |
|
新生児TSS様発疹症NTED-細菌性スーパー抗原におる新しい疾患 |
|
|
高橋 尚人 |
1149 |
|
国際保健に貢献しうる小児科医とは |
|
|
鈴木 宏 |
1156 |
|
小児期の結核の現況と21世紀へ向けた課題 |
|
|
横田 俊平 |
1162 |
|
小児科学の卒前教育と卒後研修 |
|
|
|
|
安次嶺 馨 |
1167 |
|
小児科医のための遺伝子医療入門 |
|
|
松原 洋一 |
1174 |
シンポジウム |
|
新生児マス・スクリーニングの現状と今後の動向 |
|
座長発言 |
青木 継稔,
黒田 泰弘 |
1178 |
|
テクノロジーアセスメントと倫理的問題 |
|
|
黒田 泰弘 |
1180 |
|
アミノ酸・ガラクトース代謝異常と追跡調査 |
|
|
青木 菊麿 |
1185 |
|
新生児クレチン症マス・スクリーニングの現状と問題点 |
|
|
猪股 弘明 |
1191 |
|
先天性副腎過形成(21水酸化酵素欠損症) |
|
|
立花 克彦 |
1195 |
|
マス・スクリーニングを契機に発券される対象以外の疾患 |
|
|
大浦 敏博 |
1198 |
|
新生児・乳幼児における新しいマス・スクリーニング対象疾患について |
|
|
青木 継稔 |
1202 |
|
|
|
|
原 著 |
|
|
|
1.川崎病患児における免疫グロブリン製剤投与前後の血清IgG値に関する検討 |
|
|
二瓶 浩一,他 |
1207 |
|
2.心身症的愁訴を有する不登校の診断のための症状チェックリストの作成 |
|
|
梶原 荘平,他 |
1214 |
|
3.超音波断層像における小児肝腫大の評価 |
|
|
横田 京子,他 |
1222 |
|
4.小児の有熱性気道感染症の原因ウイルス検索 |
|
|
原 三千丸,他 |
1227 |
|
5.メチシリン耐性黄色ブドウ球菌による新生児臍炎の臨床的検討 |
|
|
金子 光延,他 |
1232 |
|
6.PCR法で診断し得たA群β溶血性連鎖状球菌性膿胸の1男児例 |
|
|
野上 恵嗣,他 |
1237 |
|
|
|
|
論壇 |
|
|
|
クレチン症の診断と治療の問題点 |
|
|
西 美和,他 |
1241 |
|
|
|
|
委員会報告 |
|
長期入院児の教育に関する実態調査―平成6年度と平成12年度調査の日本小児科学会学校保健・思春期問題委員会 |
|
|
|
1245 |
公開フォーラム報告書 |
|
小児の脳死臓器移植はいかにあるべきか |
|
|
|
1250 |
|
|
|
|
地区・地方会(高知,福島,山形) (1253) |
|
|
|
|
日本小児科学会理事会議事要録 (1263) |
|
|
書評 (1269) |
|
|
|
|
Pediatrics Internationalからのお知らせ (1269) |
|
|
|
|
雑報 (1270) |
|
|
|
|
日本医学会だより No.26 (1271) |
|
|
|
|
医薬品・医療用具等安全性情報 No.170 (1272) |
|
|
|
|
|
【原著】 |
■題名 |
川崎病患児における免疫グロブリン製剤投与前後の血清IgG値に関する検討 |
■著者 |
東邦大学医学部第二小児科学教室
二瓶 浩一 |
井沢 雅子 |
池田 周子 |
細野 稔彦 |
四宮 範明 |
青木 継稔 |
|
■キーワード |
川崎病,冠動脈障害,免疫グロブリン,IgG,ステロイドパルス療法 |
■要旨 |
川崎病41例の免疫グロブリン経静脈投与(intravenous infusion of gamma globulin:IVGGと略す)療法前後の血清IgG値を測定し,急性期の経過や予後との関係を検討した.IVGG療法前血清IgG値,IVGG療法後血清IgG値,血清IgG値上昇量,血清IgG値上昇率と,解熱との相関は認めなかった.一方冠動脈病変との関係において,IVGG療法後血清IgG値(p=0.01),血清IgG値上昇量(p=0.02),血清IgG値上昇率(p=0.007)は有意に低値をとった.またIVGG療法に反応せず,ステロイドパルス療法を行なった2例において,血清IgG値上昇率は56.5%および61.4%と,ともに著明に低値であった.以上より川崎病急性期,特にIVGG療法を行なった症例において,血清IgG値の上昇程度を把握する事は,川崎病急性期の管理における重症度の推定や,IVGG追加療法や他の治療法を考慮する上で有効な指標となりうる可能性が示された. |
|
【原著】 |
■題名 |
心身症的愁訴を有する不登校の診断のための症状チェックリストの作成 |
■著者 |
国立療養所医王病院小児科1),国立精神神経センター国府台病院精神科2)
国立療養所再春荘病院小児科3),大阪医科大学小児科4)
金沢大学医学部公衆衛生学講座5)
梶原 荘平1) |
齋藤万比古2) |
樋口 重典3) |
田中 英高4) |
長瀬 博文5) |
|
|
■キーワード |
心身症的愁訴,症状チェックリスト,不登校 |
■要旨 |
頭痛や腹痛,倦怠感等様々な身体症状を訴えて受診し,不登校状態の継続する患児に対し,その身体愁訴が心身症的であると判断することに困難を伴うことが多い.そこで,簡便に心身症的愁訴を抽出できる症状チェックリストの作成を試みた.その結果1)学校を休むと症状が軽減する,2)身体症状が再発・再燃をくりかえす,3)気にかけていることを言われたりすると症状が増悪する,4)1日のうちでも身体症状の程度が変化する,5)日によって症状が変化する,6)同時期の身体的訴えが2つ以上にわたる,7)生活リズムの乱れが1週間以上持続する,8)朝倦怠感が強くなかなか起きれないの8症状が簡便な症状チェック項目として信頼性が高く,これら8項目のうち2項目以上が全症例の91%に認められたことより8項目中2項目以上認めることが,心身症的愁訴を有する不登校の診断の一助となる可能性が示唆された. |
|
【原著】 |
■題名 |
超音波断層像における小児肝腫大の評価 |
■著者 |
自治医科大学臨床検査医学1),同 小児科2)
横田 京子1) |
伊東 紘一1) |
中村みちる1) |
鯉渕 晴美1) |
桃井真里子2) |
|
|
■キーワード |
超音波,小児,肝臓,基準値 |
■要旨 |
以前我々は,超音波で肝計測基準面を定め,心窩部縦走査におけるL値と右肋骨弓下走査におけるR値を小児多数例で計測し,その基準値を作成し報告した.今回は肝腫大を有する3症例において,経時的にL値とR値を計測し,その値を年齢別基準値と比較することにより,客観的肝腫大の評価を行った.測定値の推移は臨床所見とよく相関した.小児における肝腫大の評価には超音波による計測が有用であり,成長に見合った基準値との比較が必要である.我々の示した肝基準値は,臨床的にも有用であると思われた. |
|
【原著】 |
■題名 |
小児の有熱性気道感染症の原因ウイルス検索 |
■著者 |
原小児科
原 三千丸 |
■キーワード |
咳嗽,高熱,気道感染症,RSウイルス,ウイルス分離 |
■要旨 |
冬季以外の有熱性急性気道感染症の原因ウイルスを明らかにするために,1999年と2000年の春から秋に期間を設定し,39℃以上の発熱と咳嗽を有する小児(乳児を除く)を対象とし,吸引鼻汁を用いて,ウイルス分離と,RSウイルス迅速診断試験を行った.
111例中,59例(全例7歳未満,男児37例)でRSウイルス抗原が陽性で,18例からウイルスが分離された(アデノウイルス7例,エンテロウイルス10例).60%の原因ウイルス(重複感染あり)を明らかにすることが出来た.RSウイルス陽性例は,夏季でも途絶えることなく,毎月必ずみられ,1歳が最も多く,年長になるほど減少し,6歳が最年長であった.RSウイルス単独感染症例48例の臨床的検討を行なった.診断は,上気道炎20例,喘息様気管支炎17例,気管支炎8例,仮性クループ3例であった.有熱期間(2日より7日)は5日以内が92%を占めた.経過中の最高体温は88%で40℃以下であった. |
|
【原著】 |
■題名 |
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌による新生児臍炎の臨床的検討 |
■著者 |
静岡赤十字病院小児科
金子 光延 |
渡辺 淳 |
桑原 睦 |
植野 悦司 |
木下 明俊 |
|
|
■キーワード |
新生児,臍炎,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 |
■要旨 |
1991年1月から2000年12月までの10年間に静岡赤十字病院小児科にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による臍炎のため入院した患児38例を対象として,MRSAによる臍炎の病態と治療法について検討した.入院時日齢は19.1±4.2(mean±Standard Deviation)日,入院期間は13.1±4.7日,抗生物質投与期間は10.0±3.9日であった.全臍炎症例38例中血液培養陽性例は1例(2.6%)であった.非発熱例は発熱例に比べてCRP値が低値であったが(p=0.0031),発熱例と非発熱例の入院時日齢,入院期間,抗生剤使用期間に有意な差はなかった.
新生児臍炎では菌血症を合併する率は低かった.VCM使用例は1例のみであり,MRSAによる新生児臍炎の多くはVCMを使用せずに治療可能であることが示唆された. |
|
【原著】 |
■題名 |
PCR法で診断し得たA群β溶血性連鎖状球菌性膿胸の1男児例 |
■著者 |
町立大淀病院小児科1),奈良県立奈良病院中央検査部2),奈良県立医科大学小児科3)
野上 恵嗣1) |
河原 信吾1) |
中山 章文2) |
大川 元美1) |
吉岡 章3) |
|
|
■キーワード |
A群β溶血性連鎖状球菌性膿胸,PCR法,spe B gene |
■要旨 |
症例は7歳男児.発熱と頚部リンパ節腫脹,腹痛を主訴に入院した.経過中,咳嗽は認めなかった.胸部X線およびCT像から右膿胸と診断し,抗菌薬の投与と持続胸腔ドレナージを行い軽快した.咽頭粘液,静脈血および胸水の細菌培養は全て陰性であった.しかし,経過中に血清ASOとASK値が有意に上昇し,PCR法で胸水中のStreptococcal pyrogenic exotoxin B(spe B)geneを検出したことから,A群β溶連菌性膿胸と診断し得た.培養検査が陰性であるが,A群β溶連菌性膿胸を疑う症例には,PCR法によるspe B geneの検索が有用な診断法であると考えられた. |
|
バックナンバーに戻る

|